(社)埼玉県建設業協会(現場従事技術者)と国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所および北首都国道事務所との意見交換会が27日、さいたま市南区の埼玉建産連研修センターで開催され、施工体制関係書類の更なる簡素化など、数々の意見・要望が出された。
この意見交換会は、道路を担当する事務所と、普段工事に従事している技術者が、現場で施工を進める上で、抱える問題点や改善要望など率直な意見の交換を行い、諸課題の改善を図ることを目的として、2007年度から開催しているもの。当日は、大宮国道事務所から11人、北首都国道事務所から5人、県協会から40人が参加した。
会議は、司会を務めた大宮国道の酒井雅利品質確保課長が開会の辞を述べた後、両国道事務所を代表して、北首都国道事務所の井上和彦副所長が「発注者と現場技術者との意見交換会は、工事を円滑かつ安全に進めることが目的で、腹を割って話し合うことが大切である。一歩でも前に進むため、忌憚のない意見を出してもらい、諸問題の解決に向けて、努力してまいりたい」とあいさつ。
続いて、県協会を代表して、事務局の山口勝参事兼技術部長が「実務者の意見交換会では、様々な課題の解決に取り組みながら、受発注者相互の意思疎通を高めてきた。建設業は今、大変厳しい状況が続いているが、東日本大震災の復旧・復興などで、これまで以上に厳しい現場管理が求められてくるのではないか、と危惧されている。よりよい社会資本整備につなげていくため、活発な意見交換をしてほしい」と述べた。
この後、議事に入り、大宮国道事務所の早野英人副所長が『工事事故発生状況と安全対策』、同事務所の木村義信副所長が『関東地方整備局管内直轄工事における盗難被害状況』、同事務所の下坪賢一工務課長が『設計変更審査会・三者会議・ワンデーレスポンス』−について情報提供してから、意見交換に入った。
主な意見・要望は次のとおり。
【工事着手前に関する問題点】▽関係機関との協議が整った段階で、発注していただきたい▽詳細図面が少ないため、現地調査結果を基に施工図の作成を要した
【概略発注に関する問題点】▽維持工事では、施工に伴う必要な調査等は別途業務として発注していただきたい
【設計照査に関する問題点】▽過度な設計照査が要求された。「設計変更ガイドライン(案)」に則った適切な対応を願いたい
【設計変更に関する問題点】▽維持工事では、設計単価と実勢単価の差が大きい。よって、応急処理としての積算・積み上げ方式を導入していただきたい
【提出書類に関する問題点】▽施工体制関係書類の更なる簡素化を検討願いたい
以上の各意見などに対しては、両事務所の担当者が案件ごとに検討、協議、改善していくと、前向きに回答した。
提供:埼玉建設新聞