静岡県は、交通基盤部と企業局が管理する太田川ダム(森町亀久保)への小水力発電設備の導入可能性調査を開始する。新エネルギー導入促進策の一環で、2012年度の着工を目指す奥野ダムの小水力発電設備と同様の仕組みを想定している。
太田川ダムは、太田川水系太田川の洪水調整と流量維持、遠州地域(浜松市、袋井市、湖西市、森町など16市町村)への水道用水の供給を目的に県が建設した多目的ダム。堤高70b、堤頂長290b、総貯水容量1160万立方b(有効貯水容量1080万立方b)の重力式コンクリートダムで、08年に完成した。
ダムの水は、取水設備で水道用水用を確保するとともに、常用洪水吐で一定量を超えた水を、非常用洪水吐で大雨などでたまった水を、低水放流設備で河川の流れを維持するための水をそれぞれ流している。これらの水の流れを集約し、水道用水を除いた水を流す力で発電することを想定している。
今後、水道用の水を除いた水量や、それに基づく発電量、発電設備などについて、費用対効果などを踏まえた調査を実施し、導入の可能性を探る。
県は、伊東市と共に管理する奥野ダム(伊東市鎌田)に小水力発電設備を導入する方針を固め、11年度6月補正予算案に詳細設計費を計上。取水塔から放水管路に流す水の力を利用した最大出力110kWの発電設備を設置する計画で、詳細設計業務を今後委託する計画。国庫補助を活用した12年度の整備着手を目指している。
(2011/7/29)
建通新聞社 静岡支社