トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(中部)
2011/07/27

【愛知】川中住宅の住宅長寿命化改善基本調査を委託

 愛知県建設部は、「川中住宅」の「長寿命化改善基本調査」を委託するため、プロポーザル方式(簡易指名型技術者評価方式)を実施し、技術提案書を審査した結果、業務委託先に市川三千男建築設計事務所(名古屋市中区)を特定した。今後、随意契約を結び次第、調査業務を進めていく。委託期間は2012年3月末ごろの予定。
 今後、調査結果を踏まえて12年度に実施設計を行い、13年度には工事を実施していくことになる見通し。
 同業務は、県営住宅の配管などの設備改善や耐久性の高い防水、外壁補修などの整備と耐震性の向上の検討に加え、住民が入居したままこれらの整備をスムーズに進めるための対策なども含めて調査検討する。
 愛知県では、昭和40年代に建設された県営住宅が築後35年を経過し、建て替えの検討の時期になっているが、当時は年間3000戸を供給した時期もあり、建て替えだけでは対策を講ずることができないため、住棟を耐用年数いっぱいの70年まで利用できるよう長寿命化の対策を講じる必要が生じてきた。今回の長寿命化改善基本調査は前年度に引き続いての実施となる。
 今回、調査対象となった川中住宅は、1977年に建設された鉄筋コンクリート造5階建て延べ約1700平方bの1号棟(住戸数は30戸)と鉄筋コンクリート造8階建て延べ約6000平方bの2号棟(住戸数は111戸)、鉄筋コンクリート造8階建て延べ約6600平方bの3号棟(住戸数127戸)の計3棟で構成する住宅で、全体の住戸数は268戸。
 2号棟と3号棟はエキスパンションジョイントで接続している。エレベーターは2号棟と3号棟には設置されているが、1号棟には設置されていない。所在地は名古屋市北区中切町5ほか地内。
 いずれの住棟も一定の耐震性能は有しているが、外付けの鉄骨ブレースを設置するなどの耐震性を向上させる対策を施すことにより、大地震後もそのまま使い続けられる方策も検討するとみられる。
 県では同住宅以外でも、次年度以降に長寿命化改善基本調査を実施していく見通し。