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建通新聞社(神奈川)
2011/07/25

【神奈川】大規模太陽光発電促進へ

 神奈川県は、太陽光発電を中心とした次世代エネルギー供給モデルの構築に向けて具体的施策を調査・研究する「かながわソーラープロジェクト研究会」(会長、村沢義久東京大学総長室アドバイザー)の第4回会合を開き、事務局側が示したメガソーラーを含む大規模な太陽光発電の設置促進方策について意見を交わした。事務局側は、「県内に大規模な遊休地は少ない」との現状を報告し、中規模用地を組み合わせた分散設置型による発電事業も検討すべきと提案した。委員からは、事業への出資の在り方や管理・運営方法について「さらに議論を深めるべき」との意見が出た。このほか、6月に第1次報告書としてまとめた民間資金活用による「かながわソーラーバンク構想」の具体化に向けた課題と対策を話し合った。これについて村沢会長は、今後、研究会にメーカーや施工者を招き、ヒアリングしたいとの考えを示した。
 大規模太陽光発電の設置促進に向け、事務局側は「民間企業を主体とした発電事業として展開すべきではないか」との論点を提示。その際、県としての具体的な設置促進策の在り方について意見を求めた。また、「県内には大規模な一団の遊休地は少ない」とし、集中して設置する以外の方策として、「(複数の)中規模の用地や建築物の屋上をバンドリングした(組み合わせた)分散設置型の発電事業」などを例示した。
 ある委員は、「市民参加型のメガソーラーとすべき」と提案。その上で、「資金を集めるだけが目的ではなく、市民が事業に参加することで普及・啓発効果が高くなる。促進に向けて、売電収入を市民に還流する仕組みをつくるべきだ」と述べた。
 用地の確保について別の委員は、「分散型で実施しようとすると、地権者が多くなり、話がまとまらないというデメリットがある。大規模な土地所有者とメガソーラー事業をどうマッチングするかが大切だ。また、民間事業者が実施した場合は、管理手法の問題も出てくる」と指摘した。
 次回は8月3日に開き、これらの論点についてさらに具体的に議論する方針。