建通新聞社(神奈川)
2011/06/30
【神奈川】県の総合計画 新たな政策指針検討 黒岩知事
神奈川県は、神奈川の将来像を示した総合計画のうち、短期的な県の取り組みを表す、従来の実施計画に代わる、新たな政策の指針の検討を始めた。松沢県政下での総合計画は、「神奈川力構想」として、おおむね20年後の姿を示した基本構想と、4年間で取り組むプロジェクトを示した実施計画で構成。このうち、実施計画が2010年度で終了した。22日の県議会代表質問で、総合計画策定の基本的な考え方を問われた黒岩祐治県知事は、「喫緊の課題に対応するため、現時点では基本構想は変更せず、政策の取り組み内容、プロジェクトをシンプルに表す」とした上で、「膨大な全体計画を県民が見て、『要するに』何をどうすればいいのかが分かるよう、メッセージを明示したい」と答えた。県は新たな指針について、「現在、シーズ(種)を集めている状況。今後県民や議会などから意見をもらい、かたちや、ありようを決めていきたい」としている。
2007年に策定した総合計画「神奈川力構想」のうち基本構想は、人口減少社会を迎えているであろう、概ね20年後の神奈川の目指す姿を示したもの。
県の政策を展開するに当たって、六つの基本的な視点と、それを基にした、産業・労働、健康・福祉 、安全・安心、教育・子育て、県民生活環境、県土・まちづくりの政策分野別の基本方向をまとめた。
実施計画には、07年度から10年度までの4年間の県の取り組みを明示した。主要施策・事業を整理した上で、数値目標や具体的な工程を示した戦略プロジェクトを掲げた。
黒岩知事は、現行の総合計画のうち、進行中の基本構想については変更しない方針を明らかにした。ただ、従来の実施計画に相当する部分のかたちや期間などについては言及しなかった。先の議会答弁では、「庁内で新たな政策を募集したところ、約200件の提案があり、今、選定作業を進めている。この提案をベースに、各界の有識者から成る『知恵袋会議』や『県民との対話』を通じて今年度中の早い時期にまとめたい」と話した。
県の担当者は、「知事が(議会答弁で)全体の戦略を示した。今後は、それに基づいて具体的な戦術を練ることになる」と説明。素案を示した上で、総合計画審議会や県民から意見を求め、新たな指針をまとめたい考えだ。