静岡県は、新エネルギー導入促進策の一環として、環境衛生科学研究所や浜松学園、裾野高校など県有9施設に太陽光発電設備を設置する。今後、建物屋上や敷地内など設置場所を固めた上で、建物を所管する各部局ごとに7月中に設計業務を委託、年内にも工事を発注する。県民利用施設に設置する今回の事業をモデルに、県有施設への導入拡大を全庁的に検討する方針だ。6月補正予算案に事業費1億5300万円を盛り込んだ。
6月補正で太陽光発電設備導入関連事業費を計上したのは、▽環境衛生科学研究所(静岡市葵区北安東4ノ27ノ2)▽障害者支援施設・浜松学園(浜松市北区都田町9478ノ1)▽小笠山総合運動公園(袋井市愛野2300ノ1)▽裾野高校(裾野市佐野900ノ1)▽富士宮北高校(富士宮市宮北町230)▽袋井高校(袋井市愛野2446ノ1)▽県営3団地3棟―の9施設。
導入する機器は、いずれも出力10kW程度を想定。太陽電池アレイ(パネル)や日射計、気温計、発電量や充電量などの表示装置、パワーコンディショナーなどを整備し、施設の利用者が発電の状況などを把握できるようにする。
環境衛生科学研究所で設置を検討しているのは、別館の屋上。設備の設置に先立ち現在、建物の強度を調査している。
浜松学園では、設置場所について建物屋上か敷地内で検討中だが、敷地内への設置が軸となる見通し。
小笠山総合運動公園の設置場所は、エコパアリーナと、エコパスタジアムのエントランス広場の間の芝生部分。多くの人が行き交う場所に設置することで、自然エネルギー活用のPRの場とする。
県立高校3校は、いずれも敷地に一定の余裕がある学校を選定しており、敷地内への設置を基本に、学校運営などに支障がないかを調べ、設置場所を確定する。
県営住宅3団地については、「東部」「中部」「西部」の各地域から1団地(1棟)を選定する。対象とする団地は現段階で未定。既存建物の屋上に設備を設置する方針で、建物の強度などを調べた上で団地・棟を絞り込む。
いずれも補正予算成立後に設計業務を委託(一部施設は執行委任)。年内に工事を発注し、2011年度末までに完成させる。
建通新聞社 静岡支社