建通新聞社四国
2011/06/28
【愛媛】受託団体を募集 建設業BCP等審査会
県内建設会社の建設業BCP普及促進へ、全国の自治体では初めてとなる「えひめ建設業BCP等審査会」を設立した愛媛県は、建設業BCPをさらに推進するため、同審査会の運営を非営利法人との協働で進めると発表した。このため「建設業BCP推進事業(委託事業)」を受託する団体の募集を開始、7月6日まで応募を受け付けている。県は2011年度中に入札参加資格「一般土木A等級」を対象に全3回の審査会開催を予定しており、受託団体の決定後は速やかに審査・認定を行う審査会の開催スケジュールを調整していく考え。早ければ7月下旬から8月上旬には第1回目の認定申し込み受け付けが開始されるもようだ。
今回の委託事業の応募資格要件は、▽県内に事務所を置き、県内中心に活動している非営利法人▽地域防災や企業の事業継続計画策定への支援活動に取り組んでいるもの─などで、申込書とともに事業企画書や直近の事業報告書、収支決算書を土木管理課技術企画室企画調整係へ提出する。主な事業内容は、▽受け付けや相談窓口▽審査部会の運営▽審査会の開催(年3回)▽審査部会開催(東・中・南ごとに3回開催)▽認定書の交付─など。委託料は52万円以内、委託期間は12年3月末までとなっている。
応募団体の選考、決定は、土木部管理局技術監を委員長として、土木部管理局長、土木管理課長、同課技術企画室長が委員となり構成する「建設業BCP推進事業業務委託技術提案審査委員会」でのプレゼンテーションで応募者が事業内容を説明し、審査結果をもとに受託団体を決定する(応募が4団体以上の応募場合は、予備選考を実施)。
えひめ建設業BCP等審査会(柏谷増男会長=愛媛大学名誉教授)は11年3月に設立。今後予想される東南海・南海地震などの大規模災害発生時には、地域の建設企業らに迅速な応急対応が求められていることから、災害時の基礎的な事業継続力を備えている建設会社を認定することで、地域防災力を高めることが狙い。
BCP認定企業は、災害時における復旧活動で先導的役割を果たしてもらうことが期待されており、県では12年度から総合評価落札方式における企業評価での入札で、優遇措置を設ける検討も進めていく方針だ。すでに四国地方整備局の一般土木C等級を対象に四国建設業BCP等審査会が認定した建設業者については、有効期間内で認定された企業としてみなすこととしている。土木部によると11年4月現在、県内の一般土木A等級は204社で、このうち35社が四国建設業BCP等審査会による認定会社(四国地整の総合評価方式の入札の際、企業評価で5点を加算)となっている。
審査会開催など今後のスケジュールについて県は、現時点では流動的としているものの、今回の委託事業者の決定の後、第1回目となる認定会社の申し込みを8月上旬までには受け付け、遅くても10月までには認定会社を決定したい意向で、第2回、第3回の認定会社選定についても、順調にいけば12月と12年3月にそれぞれ決定する方向で、準備を進めていきたいとしている。