建通新聞社(中部)
2011/06/28
【三重】県土整備部 「道路整備方針」公表 月末に「道路事業計画」で具体的な個所を示す
三重県県土整備部は、道路を取り巻く情勢の変化に対応して2010年度から検討を進めてきた「道路整備方針」を策定した。同方針を構成する県管理道路の「道路事業計画」については、6月末に公表する予定だ。
新たに策定した同方針では、第1章「県内の道路に関する今後の方向性」、第2章「県管理道路の整備」で構成。第1章のうち、県内道路の現状として、県内道路の改良率は50・7%(09年4月)、全国39位、高規格幹線道路の整備率59・7%(10年4月)、全国38位と低く、整備が遅れている状況を示した。また道路施設では、現在ある道路橋梁4029橋(橋長2b以上)のうち、10年4月時点で建設後50年経過の橋梁は1014橋あり、20年後には2687橋に増加する。
道路の課題としては、産業面、観光面、地震・防災面、地域の安全・安心面、道路施設の維持修繕面の5つの視点で課題を取り上げた。特に、地震・防災面では、東日本大震災を受け、沿岸部の被害を想定し、緊急輸送道路の整備の促進を強調した。現状は計画延長1058`に対し94・4%の改良率となっている。
第2章の県管理道路の整備では、新たな計画として同方針を策定した背景を説明。03年度に策定した「新道路整備戦略」(計画期間15年間)が、公共事業予算の削減により、年間約270億円の投資規模が10年度には約179億円まで減少し、事業個所数も策定時211カ所から10年度には163カ所に減少してきたことなどから、完成時期の遅れなど計画通りの事業実施が困難な状況になり、実状に即した柔軟な整備手法や短期的な事業計画を盛り込んだ計画づくりを進めていた。そこで、県民ニーズに的確に対応するため、新設や拡幅のみの対応だけではなく、待避所の設置や部分的な改良といった柔軟な整備手法を取り入れることとした。
また整備の方向を具体化させるため、3年間を期間とする「道路事業計画」を策定し6月末に公表する。同計画では、「事業実施個所」の中で「継続個所」と「新規着手個所」を示し、さらに、おおむね3年以内に事業着手を目指す「事業実施検討個所」を示す。計画内容は毎年、ニーズや社会情勢を反映して更新する。