トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2011/06/27

【京都】京都会館再整備で基本計画 第1ホール改築案に決定

 京都市は23日、左京区岡崎の京都会館の再整備基本計画を策定したと発表した。全面的な改修・第1ホール改築などを行う案に決定。概算建設費は約89億円(このうち第1ホールの改築費47億4000万円)を見込む。
 事業手法は設計・施工を一括で発注するデザイン・ビルド方式が有力。市は23年度当初予算に京都会館再整備事業の費用として7360万円を確保。23年度はプロポーザル方式で基本設計の担当業者を決める。24年度以降、第1ホール解体、埋蔵文化財調査、実施設計および工事着手となるスケジュールを予定。そのため24年4月1日以降の利用予約を中止する。
 基本計画によると、近代建築として評価の高い現建物を可能な限り生かしつつ、舞台等の機能改善などを図るとともに、バリアフリー化し公共ホールとして再生させる。第1ホールは府内唯一の2000席を有するホールとして舞台規模の拡充と機能を大幅に改善する。

EV、トイレの増設
太陽光、LED導入検討

 外観に影響を与えないような耐震補強策として既存壁の内側にRC壁を設置する工法などが検討されている。各施設への円滑な導線確保のためエレベーター増設や、快適性向上のためトイレの増設を行う。
 会議棟屋上部分を活用し、屋上緑化や太陽電池パネル(25kw程度、約200u)を設置。LED照明などの導入で長期的な環境負荷低減も図る。
 中庭は、隣接する岡崎公園と一体となった憩いの場として再整備。二条通り沿いは開放的なテラス等の整備を検討する。
 会議棟は、岡崎にふさわしい賑わい施設に用途転換。1階はカフェ、レストランなどホール来館者だけでなく岡崎地域の来訪者が利用できる集客施設の導入を検討する。2階の会議場は演劇やライブなどが開催できる多目的スペースとして改修整備を検討。3階の各会議室は管理諸室を確保するほか、多目的利用の諸室として整備を検討する。
 再整備後における京都会館の命名権は、23年2月にローム鰍ニ50年間50億円で基本合意しており、再整備の財源とする方針。
 昭和35年築の京都会館は指名コンペで選定され、建築家前川國男氏がデザイン(前川國男建築設計事務所)。京都市内に現存するモダニズム建築として知られる。規模はRC造一部S造地下1階地上4階建(塔屋1階)、延1万4547・41u(建築面積7914・10u)。第1ホールは客席数2005席+車椅子スペース10台。第2ホールは客席数934席+車椅子スペース5台。会議場は384uの会議場(150人〜400人)及び会議室5室(43〜128u、10人〜40人)。最高高さは27・5m。敷地面積は1万3167・50u。用途地域は第2種住居地域(建ぺい率60%、容積率20%)、高度地区は15m第2種高度地区(最高高さ15m)、近景デザイン保全区域(疏水沿い)・遠景デザイン保全区域(慈照寺他)。