静岡県は、建設工事の「低入札調査基準価格・最低制限価格」と建設関連業務(土木関係建設コンサルタント業務と補償コンサルタント業務)の「低入札調査基準価格」の算定方式を改正する。工事については、調査基準価格と最低制限価格を算定する際の現場管理費「70%」を「80%」に引き上げる。建設関連業務は低入札調査基準価格の算定方法を国土交通省方式に準じる形に変更する。今後、要領などを見直し積算に反映、8月1日以降に発注(入札を公告、または指名)する案件に適用する。
国土交通省による低入札調査基準価格の算定方式の改正と、これを受けた中央公共工事契約制度運用連絡協議会(中央公契連)モデルの改正を踏まえた措置。
県では現在、予定価格5000万円以上または総合評価落札方式を採用する建設工事に低入札調査調査制度を、これ以外の建設工事に最低制限価格制度を適用。いずれも@直接工事費の95%A共通仮設費の90%B現場管理費の70%C一般管理費の30%―を合計し、予定価格の70〜90%の範囲で基準額を設定している。このうち今回の改正で、現場管理費を「80%」に引き上げる。
建設工事の調査基準価格と最低制限価格は案件ごとに変動するが、現在は平均して予定価格の81〜82%前後で推移している。県によると「今回の見直しで、おおむね83〜84%付近で推移するのではないか」とみている。
建設工事の低入札価格調査制度で、契約対象外(契約しない)とする数値基準(算定式)は変更しない。
一方、予定価格500万円以上の案件に調査基準価格を設定している建設関連業務では、土木関係の建設コンサルタント業務と補償コンサルタント業務について、県独自の算定方式を国交省の算定方法に準じる形に改正する。
これまで@直接人件費の100%A直接経費の100%B技術経費の50%C諸経費の50%―を合計し、予定価格の60〜80%の範囲で調査基準価格を設定していたが、今回の改正で技術経費の部分を「その他原価の90%」に、諸経費を「一般管理費等の30%」にそれぞれ変更する。
調査基準価格はこれまで、平均して予定価格の68〜70%前後で推移しているが、県では「今回の改正で76〜77%程度の設定になるのではないか」としている。
建設関連業務のうち測量と建築コンサルタント、地質調査については、積算基準(費目構成)に変更がないため改正しない。
建通新聞社 静岡支社