福島建設工業新聞社
2011/06/21
【福島】日建連と県建築士事務所協が福島市に復興支援センター開設
県建築士事務所協会(田畑光三会長)と日本建築士事務所協会連合会(日事連、三栖邦博会長)は21日、東日本大震災の復旧復興支援業務を円滑に進めるため「建築復興支援センター」を福島市五月町4の25・県建設センターの同協会内に開設。田畑会長と山田美光日事連副会長が事務所前に看板を掲げた。
日事連では、阪神・淡路大震災での対応を参考に、今回特に大規模な被災となった岩手、宮城と本県の3県に復興支援センターの設置を決定。支援事務所と担当職員も配置し被災者相談や防災まちづくりの普及啓発、復旧復興支援、広報を柱とした支援事業を行う。期間は26年3月末までの3年間。
これを受けて本県協会では、日事連からの支援金1000万円に本県の500万円を加え、1500万円規模で事業を展開する。「相談支援」「復旧啓発」「復興支援」「広報記録」の4部会に分け、被災直後の3月14日に窓口を設置して対応してきた被災住宅・建築物相談窓口をセンターに移行、市町村等への相談員派遣・現地調査員派遣、復興まちづくりフォーラム・防災イベント開催、県実施の木造住宅耐震化啓発事業技術者派遣、県産材活用のローコスト復興住宅調査、被災建築物や耐震改修済み建築物の被災状況調査研究などを行っていく。
また昨年度、県立福島工業高校で行った高校生参加の地域防災(木造住宅耐震診断)授業は、今年度は福島、郡山、若松、いわきの各工業高校建築科に拡大して実施する。
田畑会長は「本県では応急危険度の判定を受けた建築物は1万5000棟を超え、6割が危険、要注意となっている。一般からの建築物の相談は1000件を超えた。建築設計の専門組織、法定団体として復旧復興への社会の期待に応えていきたい」、山田副会長は「震災翌日に支援本部を立ち上げ、4月11、12日に3県に激励訪問した。特に3県には物心両面で支援していくため、16日の会長会議・総会で支援体制を決めた。できるだけ応援体制を作っていきたい」と話した。