建通新聞社(中部)
2011/06/17
【愛知】6月補正予算案 大村知事の政策的判断を反映した初の本格的な予算編成
愛知県は、6月定例議会に提出する6月補正予算案を発表した。2011年度の当初予算は骨格予算として編成したため、実質的に大村秀章知事の政策的判断を反映した初の本格的な予算編成といえる。一般会計の補正額は1593億円で、これが認められれば総額で2兆2677億円となり、前年度当初と比べると101%の伸びとなる。
6月補正予算の主要事業としては、「地震防災対策」の充実が最重点の課題としている。具体的には、基幹的広域防災拠点候補地調査費で大規模災害時の応急災害対策活動の拠点となる候補地の調査を実施するほか、緊急市町村地震防災対策事業費補助金で同報系防災無線通信設備整備などに対する補助の充実を図る。
耐震化の促進のため県立高等学校の耐震化を前倒しし、11年度以降の進捗率を大幅に上げ、15年度にすべての県立学校の耐震化を完了させる。民間住宅耐震改修費補助金を増額し対象戸数を2222戸増やし、計3090戸とする。
愛知の産業、経済が活力を保ち続けるための「景気対策」は、投資的経費に793億円を確保し、補正後の予算額として総額を2273億円としている。
また、国庫支出金を財源とする道路・河川などの公共事業の事業量は11年度は国からの当初内示が1177億円と10年度からの繰越額272億円を加えると1449億円となり、10年度の当初内示額に比べると117・7%の伸び率となる。
また、単独事業は216億円を計上しており、当初予算計上額と合わせ831億円で、道路事業では歩道の設置などの交通安全対策を、河川事業では地震防災対策を推進する。
また、マニュフェストを推進する施策としては、「安全で災害に強い地域づくり」のため豊田警察署の改築の基本設計や調査といった整備費や交通安全施設整備費を計上。「安心できる健康・医療・福祉社会づくり」では、第2青い鳥学園の移転改築の基本設計やあいち健康の森で薬草園の整備を進める。
このほかに「教育・文化立県あいちづくり」では、工業教育の中核となる総合技術高等学校の設置に向けた実施設計や尾張地区の新たな知的障害養護学校の設置のための既設建物取り壊し、芸術大学音楽学部校舎の改築などを計上した。