建通新聞社(神奈川)
2011/06/17
【神奈川】県立高校 258棟が「要小規模補強」
神奈川県教育局の調べによると、県立高校の校舎258棟で将来的に「小規模補強」が必要なことが分かった。特に、全体の約92%に当たる237棟がIs値(構造耐震指標)0・6未満と判定。地震の震動や衝撃で「倒壊、または崩壊する危険性がある」と判断した。県では現在、「大規模補強が必要」と判定された校舎棟の補強・改修を優先しているが、それらが完了次第、順次工事に着手したい考えだ。
地震によって「倒壊、崩壊する危険性が高い」施設に対する大規模補強とは異なり、小規模補強は部分的に構造体を補強する。対象となるのは、地震による被害を想定した結果、一部分の柱・耐力壁にせん断破壊などが起こる恐れがあるが、使用に耐えると判断された建物。
全258棟の内訳を建築年度別に見ると、1960年代の建物が84棟で全体の35%、70年代が146棟で同61・6%を占める。80〜81年度は24棟。鶴見高校本館と横浜緑ケ丘高校本館1・2、多摩高校3棟(「3棟」は校舎棟名)、横須賀高校本館(A棟)の4棟は56〜59年度に建てられた施設で、既に築50年以上が経過している。
対象施設の構造は鉄筋コンクリート造が大部分を占めるが、鉄骨造が86棟(一部鉄骨造含む)、コンクリートブロック造も1棟含まれている。
地域別では、横浜市内が保土ケ谷高校、磯子工業高校など30校・88棟で最も多い。次いで、川崎市内が10校・26棟、相模原市が8校・26棟、平塚市内が6校・18棟などとなっている。
県では、「(同一高校の)別棟の大規模補強や改築などに合わせて、当該校舎の小規模補強を行うケースもあるが、大部分は今後の対応(設計・工事)になる」としている。