建通新聞社(神奈川)
2011/06/14
【神奈川】UR神奈川 花月園跡地の利活用 事業化へ検討
花月園競輪場跡地など約10・4fの土地の利活用について、具体的な事業化の検討が始まった。防災機能を備えたオープンスペースを確保しつつ、住宅地を整備し駅前機能を高める方向で、事業手法は▽住宅市街地総合整備事業▽防災公園街区整備事業▽土地区画整理事業―の三つを想定している。駅前の大規模な土地であり、遊休化している民有地を含めた一体的な面整備が期待される。
検討作業は、UR都市機構神奈川地域支社が担当する。今後「住宅市街地総合整備事業(拠点開発型)」の整備計画案と地区計画素案、宅地造成などに係る基本計画、「防災公園街区整備事業」と連携した「区画整理事業」の概略・事業化などについて検討し、民間事業者のヒアリングを踏まえ、2012年3月までに各事業の適用可能エリアや実現性、採算性、リスクなどの資料をまとめる。それを基に12年度以降、神奈川県や横浜市、地権者などとの協議を進める。このほど「平成23年度横浜市北東部における市街地整備に係る事業化検討業務」をURリンケージに1030万円で委託した。
検討の対象エリアは現段階では確定していないが、県有地7・1fと、花月園観光の社有地0・9fに加え、周辺のJFE社宅跡地など遊休化した民有地2・4fを含む合計10・4fを基本とする=図=。
三つの事業手法のうち、「住宅市街地総合整備事業」は、住宅や公共施設の整備を総合的に行うもので、地方公共団体やUR、民間事業者が事業主体になる。「防災公園街区整備事業」の事業主体はUR。横浜市の要請に基づき、URが土地を取得した上で防災公園と周辺市街地(宅地)を一体的に整備し、整備後の公園を横浜市に、宅地を民間に売却する。「土地区画整理事業」は、地方公共団体とUR、民間事業者などが事業主体となり、道路や公園などの公共施設を整備し、区画を整え宅地の利用を増進する。10・4fのエリアを中心に、どの範囲にどの事業を適用するかの線引きが、最大の検討課題になりそうだ。
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花月園競輪は10年3月に閉鎖した。跡地利用について、県では利活用の予定がないため地元の横浜市に照会したところ、市は広域避難場所としての利活用を考えていると回答した。その後、県は横浜市や地権者、学識経験者などで構成する「花月園競輪場関係県有地等の利活用に係る検討会」を設置し、10年12月までに検討結果をまとめた。その中で、防災公園街区整備事業など三つの事業手法を挙げるとともに、事業化の検討をURに依頼するとした。