岐阜県は10日、内ケ谷ダム建設事業の検証で、第3回「内ケ谷ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」を県庁内で開き、ダム建設と河道改修を組み合わせた現行計画案を継続させる方針を固めた。今後は県議会や各関係市議会への説明、関係首長の意見を聴取した上で、事業評価監視委員会で対応方針を決定し、秋ごろをめどに国へ検討結果を報告する考えだ。
県は、検討の場の前回会合で現行ダム案に対するダム以外の洪水対策案(代替案)などを提示。代替案は、ダムと河道改修を行うダム主体案と、ダムの代替えとなり得る効果を発揮できるかで4案(河道改修主体案、遊水地主体案、水田貯留主体案、河道改修・遊水地整備・水田貯留複合案)を立案。また、洪水対策案のほか、河川に必要な水の確保の対策案としてダム案と河道外貯留施設案の2案も挙げ、検証してきた。
これら対策案は評価軸ごとの評価表に取りまとめられ、安全度やコスト、実現性などについて評価。これまでに現行のダムと河道改修案が向こう50年間の管理費用は高いものの、最も完成までに要する費用が安く、国の遊水地整備や水田貯留などと比べ実現性が高い―などの評価を得ていたが、県民へのパブリックコメントを経た今回の会合では、これら対策案への意見も踏まえ検証が行われたものの、結局現行案が最も優位な対策案であると結論付けた。
現行案は、河道改修で計画高水流量が板取川より下流で毎秒4800立方b、上流で毎秒2900立方b。ダムは総貯水量約1150万立方b。総事業費は約390億円で河道改修費は板取川より下流で約242億円、上流で約56億円、ダム建設残事業費が約91億円などとなっている。