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北海道建設新聞社
2011/06/09

【北海道】道が投資関連予算に823億円追加へ−札医大整備で構想策定 

 道は8日、2011年度の追加補正予算案を公表した。14日に開かれる第2回定例道議会に提出する。4月の知事選で3期目の再選を果たした高橋はるみ知事の公約などを盛り込んだもので、一般会計は2760億円。改選後の追加補正予算額としては過去最大規模となった。東日本大震災の復旧・復興対策を進めつつ、公約である「地域へのこだわり」「攻めの道政」「世界の中の北海道」をキーワードとした政策「新生北海道 オンリーワン戦略」を実現させるための重点政策予算を組み立てた。投資関連予算の追加は公共事業と投資単独事業の合計で823億円。当初予算や10年度追加補正を合わせると3452億円で、10年度当初並み。主な事業では、視覚障がい教育センター校の基本設計費を盛り込んだほか、札幌医科大の施設整備に向けて整備手法を練り上げる基本構想を策定する。地震発生時の津波対策として安全に道道を通行できるように護岸高などの調査を進める。
 補正予算案は、一般会計が2760億7500万円、特別会計が10億8700万円の合計2771億6200万円。当初予算と合計すると、一般会計は2兆7956億円(10年度当初比0.8%減)、特別会計は5850億円(11.2%減)となり、総額では3兆3806億円(2.8%減)にとどまった。
 歳出を見ると、投資関連予算のうち、投資単独事業費は367億円を追加。当初と10年度追加補正を合わせると1097億円で、10年度当初比8.1%増と大きく伸びた。主なものでは、東日本大震災を踏まえて防災施設などのインフラ整備を進めるため、防災対策事業費として15億円を新たに加算。国の交付金を活用して最大限の事業量を確保する。公共事業直轄負担金の減少を投資単独事業でカバーする格好となった。
 道内経済への影響回避などを含めた東日本大震災の対策費は42億円。臨時道議会でこれまで可決された対策費を加えると総額で113億円に上る。
 震災対策で2定補正で新規に追加されたものとしては、津波浸水予測図を改訂するほか、津波避難計画策定促進や津波避難行動実態調査に乗り出す。津波警報時に道道を安全に通行できるよう護岸高などの調査を進める公共土木施設地震・津波対策には1億円余りを盛り込んだ。道庁本庁舎の耐震工法を検討する調査費に420万円を充てる。ホタテやカキといった個人養殖施設の復旧には29億円を措置した。
 建設事業のうち、施設整備では、視覚障がい教育センター校の基本設計費6984万円を計上した。旧道立有朋高跡地(札幌市中央区南14条西12丁目)で整備する方針を固めている。また、札幌医大整備構想の策定経費として300万円を挙げた。主要施設が老朽化した札幌医大の整備は高橋知事の選挙公約「着実に進める政策リスト」に盛り込まれたもので、事業手法などを検討する。このほか、高校4校と特別支援学校2校で大規模改造に向けた調査設計を進める。
 このほか、道独自の環境対策の取り組みとして北海道ゼロエミッション型住宅の技術開発や、次世代北方型居住空間モデルの構想策定に着手する。15年ごろまでに二酸化炭素排出量を現在の北方型住宅の半分のレベルに減らしたり、暖房エネルギーなどを極力使わない高断熱住宅を地場工務店でも施工できるような技術の確立を目指す。木材を含めた道産資材をできるだけ活用して地域の産業振興に結び付ける狙いもある。