建通新聞社(神奈川)
2011/06/08
【神奈川】県内中小企業国際化へ 連絡会議を設置
神奈川県は、中小企業の国際化を支援するため、このほど日本貿易振興機構(ジェトロ)や神奈川産業振興センターなどの行政機関と県商工会連合会などで構成する「中小企業国際化支援連絡会議」を設置した。連絡会議を通じて県内市町村から推薦があった企業を対象に、海外展開に向けたホームページの新設・活用講習会などを開催。販売力のアップと販路拡大を応援する。このほか、県内企業の海外進出の実態を調査し、データベース化する作業も進める。海外展開支援施策を立案する際の参考にしたい考え。県ではこうした海外展開の支援が、県内での設備投資に加え、「雇用の創出と税収アップにつながることを期待したい」と話している。
海外市場進出支援事業ではまず、連絡会議を通じて市町村から推薦があった企業に、海外展開向けの広報資料原稿を日本語で作成してもらう。それを各企業が希望する言語に翻訳。併せて、広報用ホームページの作成、活用、修正などのノウハウを伝える講習会を開き、各企業が海外展開する際のツールにしてもらう。7日に、それらの業務を実施する「県内中小企業海外市場進出支援事業」を公募型プロポーザル方式で公告(参加申し込みはあす9日まで)した。推薦企業が50社に満たなかった場合は、受託者がホームページで追加公募・選定する。
一方、県内に本社を置く中小企業海外事業実態調査と、結果の分析・データベース化、報告書の作成を行う「県内企業海外事業展開実態調査」も同日に公告(あす9日まで参加申し込み受け付け)した。
この中で、県内企業の直接貿易や代理店による取引のほか、現地に生産拠点を置いた取引などの実態を調査。海外事業展開を希望する県内企業を掘り起こすとともに、今後、海外展開支援施策を効果的に進めるための参考にする。
対象業種は、「平成21年工業統計調査」の結果で、製造品出荷額が上位の輸送機、化学、食料などのほか、「IT/エレクトロニクス・バイオ・自動車」などを想定している。