建通新聞社
2011/06/08
【大阪】阪府 おおさか府民牧場・野外活動センターを能勢町に無償譲渡 町が基本・実施設計へ
大阪府は、能勢町にあるおおさか府民牧場・野外活動センターを2011年度末で廃止し、町に無償譲渡する方針を決めた。譲渡先の能勢町は府民牧場の跡地に新小中学校の建設を計画しており、本年度に基本・実施設計を作成。12年度に工事を開始し、15年4月の開校を目指す。
能勢町の「新小学校」構想では、六つの小学校と二つの中学校を統合し、現在のおおさか府民牧場の敷地17haに、自然との共生の中で生物多様性の理念を学ぶ日本で初めての小・中学校を整備するもの。
計画概要は、小学校の校舎棟が鉄骨造2階一部3階建て延べ約4,700u、体育館棟が鉄骨造平屋約800u、プール棟が鉄骨造平屋約150u。中学校の校舎棟が鉄骨造2階建て延べ約4,200u、体育館棟が鉄骨造2階建て延べ約1,800uなど。
概算工事費は造成工事が約4億円、建築工事が約38億円で、総事業費は約42億円を見込んでいる。
11年度当初予算に基本・実施設計を含んだ測量設計業務費として1億1,000万円を計上し、議会の議決を受けたが、「府の方向性が確定してから」との付帯決議となったことから、執行を保留している。府の方針が決まったことから、具体化に向けて動き出す見通し。
府は、9月議会の前半に廃止条例を提出し、可決されれば12年3月末で施設を廃止する予定。
府は、財政負担の大きい府民牧場・野外活動センターについて、施設の廃止を方針化。民営化を模索してきたが、受け手がなく断念する。今回、能勢町への無償譲渡を決めたのは、@公共目的で跡地の有効活用を図ることができるA町の住民サービス向上・行革が期待できるB府の行革が進むC跡地の管理が不要となる−などの観点から。
これまでの能勢町との合意事項は、@跡地内で「家畜とのふれあいの場の提供」の一部機能を継承A町が利用を予定している一部上屋については有償譲渡で調整B野外活動センター跡地も現状有姿のままセットで引き受け、自然公園区域内にふさわしい跡地の公共的利活用を図る−など。