建通新聞社(神奈川)
2011/06/02
【神奈川】神奈川県環境農政局 総合評価試行運用指針を改訂
神奈川県環境農政局は、局の発注工事で総合評価方式を採用する際の基本的な事項を解説した「総合評価方式の試行に関する運用ガイドライン」を改訂し、標準型、簡易型、特別簡易型の3タイプに適用する設計金額の範囲を明示した。2011年度の試行について同局では、「4月公表の発注見通しには明記していないが、(今後調整した上で)7月中・下旬に公告する5件の工事に総合評価方式を適用したい」としている。
環境農政局では、2010年度に3件の工事に総合評価方式を適用し、このうち1件の案件で最低入札価格者以外が落札する、いわゆる「逆転現象」が起きた。これらの実績を踏まえ、このほど局の工事に適用するためのガイドラインを改定した。
適用タイプ別の設計金額の範囲は、標準型が1億円以上、簡易型が2500万円〜5億円、特別簡易型は250万円〜1億円。県土整備局のガイドラインでは、簡易型の適用金額を3000万円〜5億円としているが、同局では「比較的小さい工事にも簡易型を適用できるよう、県土整備局のガイドラインよりも適用金額を下げた」と話している。
評価項目は、県土整備局のガイドラインと同様、標準型が@総合的なコスト縮減の技術提案A工事目的物の性能・機能の向上に関する技術提案B社会的要請への対応に関する技術提案―が必須(合計15点)。そのほかの項目を合わせ、加算点15〜32点を配点する。
簡易型は、▽工事目的物や材料などの品質管理▽施工上の課題▽施工上配慮すべき安全対策▽工程管理―にかかわる技術的所見(簡易な施工計画の評価)が必須で、加算点の合計は18〜23点。
特別簡易型は「工期短縮」や「災害時の地域貢献」「地域特有の課題(施策)への取り組み」を原則必須とし、8〜12点を配点する。
落札者の決定方法は、これまでと同じ除算方式を採用。標準点(100点)と技術力などの評価に基づく加算点の合計である「技術評価点」を、入札価格で除して算出した「評価値」が最も高い参加者を落札候補者とする。