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建通新聞社(中部)
2011/06/01

【愛知】震災被災地で中部の建設業が活躍

 中部地区の国の機関や県、建設産業団体などで構成する「中部地区建設産業再生支援協議会」が5月30日に名古屋市内で開かれ、東日本大震災への建設業団体の対応・取り組みや、震災による業界への影響などが報告された。各県建設業協会が国土交通省中部地方整備局の要請を受け、被災地での排水ポンプ車の操作要員として会員企業から人員を派遣し災害復旧に活躍していることや、全国団体を通じて義援金を送っていることなどが紹介された。今後の本格的な復興支援・協力などに対しても業界側は意欲的な姿勢を示したが、一方で、国が支援・協力の枠組みをいまだに示していないことに業界側から不満の声が出た。
 東日本大震災発生後に中部地方整備局では、照明車や衛星通信車、対策本部車、排水ポンプ車といった災害対策車両の操作作業について、災害協定を締結している建設業団体に協力を求めて実施。協定企業の延べ派遣人数は5月末現在でおよそ延べ5000人・日を超えているという。
 岐阜県建設業協会の派遣人員は高山国道事務所関係で約40人、木曽川上流河川事務所関係で約30人。災害対策車両のオペレーターなどの作業要員を岩手県、宮城県へ派遣した。
 愛知県建設業協会も庄内川河川事務所が所有する排水ポンプ車と、照明車の操作のため、4月2日から7次にわたり、会員企業から人員を派遣。排水作業などを行った相馬市から市長名で礼状が届いたという。
 静岡県内からは、静岡建設業協会、島田建設業協会が4月11日から災害対策車両支援隊を派遣した。災害対策車両の操作は整備局との協働により24時間体制で実施。派遣は1週間交代。
 三重県建設業協会は派遣要請を受けていないものの、派遣できる体制を整えていることを説明するとともに、会員企業が福島第一原子力発電所の注水作業にコンクリート圧送車を提供していることも紹介した。
 このほか静岡県建設業協会は、東日本大震災と計画停電による影響調査を2回にわたり実施し、調査結果を踏まえて、建設資材の確保、単品スライド条項適用の弾力的運営、工期延長についての配慮などを静岡県に要望したことを説明した。資材関係の影響については日本電設工業協会東海支部も電材など納入状況などを報告し、工場の復旧が進み状況が好転しているとしながらも、納入が不安定なため工期への影響に懸念を示した。