トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2011/06/01

【神奈川】林横浜市長が国に要望 大震災への対応

 横浜市の林文子市長は、5月30日に松本龍内閣府防災担当大臣=写真=など政府・民主党の防災、経済対策担当者3人と面会し、「東日本大震災の対応に係る国への緊急提案・要望書」を提出した。先にまとめた市独自の総合的な震災対策を効果的に進めるため、国の津波対策の抜本的な見直しや液状化被災者への支援などを要請。林市長は、横浜市が「日本全体の復興に向けて大都市自治体としての役割と責任を十分果たしていく」ためには、国と一体となって防災対策や経済復興に取り組むことが必要とし、早急な対応を求めた。
 津波対策では、国の防災基準の見直しを要望。政府の中央防災会議が「首都圏直下型地震」などの大地震で想定している東京湾の津波は、最大で高さ1bとなっているが、東日本大震災の発生時に横浜港で観測した津波の高さは1・6bに及んだ。こうしたことから、国の想定する地震や津波の規模を早急に見直すとともに、合わせて津波に対する防護の方針と具体的スケジュールを提示するよう求めた。
 液状化被災者への支援では、補助の世帯要件の緩和や付帯施設への対象拡大を求めた。国の現行制度では、補助の対象を10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村に限定しており、適用対象とならなかった横浜市は、独自の制度を新設して被災者を支援する。
 このほか、要望書では▽放射線検知施設の設置など横浜港で実施する安全対策への国費導入▽太陽光発電の全量買い取り制度の前倒し実施など、スマートグリッド構築に向けた取り組みの強化▽指定都市への災害対策にかかわる権限の移譲▽被害認定調査や被災証明書の発行に関する法的根拠の明確化▽海外旅行市場を回復させるビジットジャパン事業予算の大幅拡充―などの施策を提案した。