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北海道建設新聞社
2011/06/01

【北海道】札幌市が補正予算案に建設事業費31億円を計上 

 市長選のため当初を骨格予算で組んでいた札幌市は5月31日、3期目に入った上田文雄市長の肉付け補正予算案の概要を発表した。一般会計の追加規模は50億4300万円で、普通建設事業費には31億円を積み上げた。肉付け後の同事業費は2010年度比10.5%増の736億4200万円に拡大、平成以降最大の伸びとなった。新規では市立札幌病院静療院の成人部門跡施設改修に着手するほか、地下鉄南北線大通駅コンコースの大通交流拠点(サッポロ広場)整備で空間拡張に向けた設計費を計上。道路・街路などの主要公共事業には約22億円を配分した。予算案は9日開会の第2回定例市議会に提出する。
 市は予算編成に当たり、子育て支援や経済・雇用対策、東日本大震災対応関連などを中心に、早期着手または事業化のめどを付ける必要があるものを積極的に盛り込んだ。一般会計と国保、介護保険両特別会計を含む補正総額は52億3500万円。
 当初予算に一定補正と二臨補正を加えた肉付け後の一般会計は10年度当初費5.2%増の8659億2400万円に膨らみ、1999年度の8554億円を超えて史上最大規模となった。生活保護費など扶助費の増加や震災関連の貸付金などが主な増加の要因。全会計総額は3.6%増の1兆4395億7500万円。
 市債発行額は、辛うじて元金償還額の範囲内に抑え黒字化を見込んだものの「(将来的に)市債発行額が償還額を上回る可能性は十分ある」(金崎健太郎財政局長)とし、厳しい財政見通しであることを示唆している。
 一般会計の普通建設事業費は31億6100万円。このうち主要公共事業が道路・街路で約13億2700万円、河川で約7900万円、公園で約8億5700万円の合わせて22億6400万円、残り8億9700万円が主要公共以外。
 主な事業を見ると、主要公共では生活道路整備などに5億8900万円を振り向けたほか、西5丁目・樽川通の電線類地中化や、環状通の街路改良などを挙げている。公園関係では遊具や設備の補修などに7億700万円を充てた。
 主要公共以外では、中央卸売市場に1施設当たりの規模としては市内最大出力となる327`hの太陽光発電設備を設置。実施設計費と工事費に5億2000万円を組んだ。
 中央区北11条西13丁目の市立病院本院へ機能を統合した、静療院の成人部門跡施設は、障害児らの福祉・医療施設として改修する。工事費約14億円を見込み、11年度に基本・実施設計を進める。
 地下鉄南北線大通駅コンコースの大通交流拠点(サッポロ広場)整備では設計に着手。3月に開通した札幌駅前通地下歩行空間と接続する大通四隅の地下部分を拡張、吹き抜け空間を設けて人の滞留を導く拠点にする。12年度から3カ年の工事費に約22億円を試算する。
 路面電車の延伸では、工事費18億円を投じるループ化に向けた予備設計や、低床車両デザインなどの検討に1億9000万円を確保。老朽化した中央体育館に代わる総合体育館の建設では、基本構想策定に取り掛かる。
 東日本大震災を踏まえた対策では、市有施設の耐震化でIs値(耐震化指標)0・3以上0・6未満の北、東、西の3区役所と茨戸、北、西白石、南白石、手稲西の小学校5校で耐震化を前倒す。災害発生時の対策拠点となる本庁舎と区役所のうち2カ所を対象に非常用発電設備を更新する。ほかに地域防災計画の見直しや応急救援備蓄物資の増強にも取り組む。
 子育て・福祉関連では、保育所待機児童の解消を目指して1園分定員60人の新築費補助を追加。東雁来では新たに子育て世帯向けの市営住宅の設計にも着手する。広域型特別養護老人ホームの新築費補助でも新たに1件分の枠を確保した。