建通新聞社四国
2011/05/31
【愛媛】県が特別要項16項目 政府予算へ提案
愛媛県は26日、2012年度政府予算編成に向けた重要施策の提案・要望として最重点項目と重点項目の合わせて46項目をまとめ発表した。また、東日本大震災関連として、最重点項目を踏まえ、従来の重要施策要望などとは別に、高規格幹線道路などネットワークの整備促進を柱とする「震災対策の充実・強化」や、学校施設の耐震化など「公共施設の耐震化」といった16項目を特別要望として取りまとめた。30日には中村時広知事が民主党県連へ要望書を提出、陳情しており、近く東京でも県関係国会議員へ要望することにしている。
特別要望として上げる震災対策の充実・強化では、地域の安全・安心へ、全国に比べ大幅に遅れている社会資本整備を着実に推進するための予算配分を要望する。このうち東南海・南海地震の発生が懸念される中、高規格幹線道路などネットワーク整備については、震災を見据えた災害に強いネットワークを形成するとして「四国8の字ネットワークの整備促進」を強く訴える。特に11年度供用予定の四国横断自動車道宇和島北〜西予宇和に接続する宇和島道路の未開通区間を「ペースを落とすことなく整備」することを要望するほか、進展のない四国横断自動車道高知県境〜愛南町の早期の整備計画明確化を盛り込み要望。また、四国縦貫・横断道の2車線区間の早期4車線化とともに、内子・五十崎IC間に中山IC(仮称)整備や、利用者の利便性向上へ宇和PA(仮称)の整備なども求める。さらには今治小松自動車道今治IC〜今治湯ノ浦ICの早期整備、高速道路と空港の交通アクセス改善と渋滞緩和へ松山外環状道路整備促進のほか、松山自動車道と連結する大洲・八幡浜自動車道国道197号八幡浜道路の整備促進も提示している。
公共施設などの耐震化では、公立高等学校の耐震化で公立小・中学校施設と同様の地方財政制度創設を要望するとともに、小・中学校などの施設についても補助制度の拡充、加えて私立学校施設の耐震化促進へ補助率引上げや要件の緩和、必要な財源措置を求める。さらに警察施設の耐震化促進も要望。警察施設など建築物耐震化の補助制度の拡充をはじめ、構造上耐震改修が困難な警察署や津波に対する位置不適な警察署の建て替えに伴う補助金確保を要望する。
一方、最重点項目に上げる主な建設関連事業の項目では▽JR松山駅付近連続立体交差事業、関連する石手川河川改修などの事業推進▽山鳥坂ダムにかかる水没地域住民のための生活再建・地域振興の早期実施▽肱川の安全安心の確保と清流復活−などを要望。
山鳥坂ダムの水源地域では「ダム凍結で付替道路工事や住民への損失補償が中断したまま置き去りにされている」と訴え、早期の生活再建・地域振興の実施を要望。加えて、ダム検証に当たっては地域の実情やこれまでの経緯を踏まえ、「地方意見を尊重して検討を進めること」とともに、来年度予算に反映されるよう「早期に検証を終了する」ことを求める。このほか鹿野川ダム改造事業の促進や肱川における国管理区間の河川改修の促進などを要望している。