建通新聞社(神奈川)
2011/05/23
【神奈川】神奈川県 液状化被害住宅に補助
神奈川県は、東日本大震災による液状化で、建物に大きな被害があった民間木造住宅の居住者やマンション管理組合などに対する緊急支援を始める。5月補正予算による対応。被災した建物などの補修工事費を補助する。補助予定件数は、民間木造住宅20件、マンション4件の合計24件を予定している。市町村が取り組む民間木造住宅の耐震化支援事業(市町村消防防災力強化支援事業)の特例措置として実施。市町村を通じて間接的に補助する。現時点で同支援事業による補助制度を持つのは横浜市のみとなっている。横浜市は今後、補助金の募集要項などを作成し、6月にも申請の受け付けを始める。
自然災害の被災者に対しては、被災者生活再建支援法に基づく都道府県拠出基金を使った支援金制度がある。だが、今回横浜市内で多発した液状化による被災の規模は当該支援制度の対象にならず、被災者は公的支援を受けることが難しい状況にある。
そこで、市町村を通じた間接補助制度を設けることにした。具体的には木造住宅の耐震化など、市町村の消防防災力の強化の取り組みを支援する「市町村消防防災力強化支援事業」の特例措置として行う。今回は、同補助制度を持つ横浜市のみが市内の被災建物を対象に補助金の申請を受け付ける。
補助の対象は、@半壊以上または液状化によって傾斜などの被害が生じた民間木造住宅の補修工事などA液状化などによって大きな被害を受けたマンションの管理組合が行う共用部分、付帯施設の工事―の二つ。
横浜市による住宅への補助額の上限は150万円。県がそのうちの3分の1を支援する。補助予定件数は20件。現在居住している家屋であり、り災証明など地震による被災が確認できることが条件。
マンションは1000万円を限度に横浜市が補助。同じく、そのうちの3分の1を県が支援する。補助予定件数は4件。マンションの共用部分や付帯施設の工事であることが補助の条件となっている。
申請の受け付け開始は、県と横浜市の5月補正予算成立後となる。