静岡県内の2010年度の新設住宅着工戸数は2万5806戸で、前年度を0・1%上回り、4年ぶりに増加したことが分かった。貸家が4年連続で減少したものの、持ち家と分譲住宅が増えたため全体で増加した。ただ、09年度の実績が前年度を1万戸近く下回る極めて低い水準だったため、増加したとはいえ10年度の着工戸数は依然として“低空飛行”が続いた。
10年度の着工戸数を利用関係別に見ると、持ち家が前年度比6・7%増の1万4480戸、貸家が同19・3%減の7925戸、給与住宅が同130・7%増の233戸、分譲住宅が同38・8%増の3168戸(うちマンションが同33・8%増の1169戸)だった。
過去10年間では、09年度を除き平均して約3万5000戸の着工戸数があったことから、依然として低い水準。統計のある1964年度以降、最も多かった73年度の6万7860戸と比べると4割に満たない水準だ。
また、3月単月の県内新設住宅着工戸数は前年同月比10・7%増の2143戸。
利用関係別では、持ち家が同10・3%増の1278戸、貸家が同23・0%減の429戸、給与住宅が同76・5%減の4戸、分譲住宅が同112・8%増の432戸(うちマンションが同175・6%増の226戸)だった。
一方、国土交通省がまとめた10年度の全国の新設住宅着工戸数は前年度に比べ5・6%増の81万9020戸だった。マンションなど分譲住宅の回復により、リーマンショックの影響で落ち込んだ前年度の実績を辛うじて上回ったものの、過去をさかのぼると1964年当時の水準にとどまった。
利用関係別では、分譲住宅が前年度比29・6%増の21万2083戸で、内訳は、マンションが同45・1%増の9万7757戸、一戸建て住宅が同19・0%増の11万3427戸。持ち家は同7・5%増の30万8517戸、貸家は同6・3%減の29万1840戸、給与住宅は同50・3%減の6580戸だった。
3月単月の全国の新設住宅着工戸数は前年同月と比べ2・4%減の6万3419戸で、10カ月ぶりに前年同月を下回った。国交省では「東日本大震災の影響を否定できない」としている。
利用関係別では、分譲住宅が前年同月比4・6%増の1万8104戸で13カ月ぶりに前年同月を上回った。内訳はマンションが同1・3%減の8670戸に対し、一戸建て住宅が同9・6%増の9324戸だった。持ち家は同4・0%増の2万2863戸と増加したが、貸家が同9・5%減の2万1763戸と大きく落ち込んだ。
建通新聞社 静岡支社