建通新聞社(神奈川)
2011/05/19
【神奈川】横浜市新市庁舎整備基本構想
横浜市総務局は、「新市庁舎整備基本構想策定調査」の委託先を日本経済研究所(千代田区)に決定した。事業内容や整備手法などを検討し、新市庁舎の建設候補地も絞り込む方針。2010年3月にまとめた有識者の提言を基本に策定するが、北仲通南地区への全面移転や、庁舎の規模の縮小など、財政状況を踏まえたよりコンパクトな案も求める。履行期間は12年3月30日。今回の基本構想を基に、13年度までに基本計画を策定する。
業務内容は▽建築計画の作成(配置図、平面図、立面図、断面図)と周辺環境への影響調査▽ゾーニングの検討と主要な部分のレイアウトイメージ作成(行政、議会、市民利用、災害対策本部)▽ライフサイクルコスト(建設費、移転費、維持管理費、修繕費)▽整備手法・運営管理方式(市単独、官民連携)―など。
新庁舎の検討は、10年3月に「関内・関外地区活性化推進計画検討委員会」(委員長・小林重敬東京都市大学教授)がまとめた二つの候補地への建設案をベースに検討する。
提言の中で、北仲通南地区にメーン機能を移設する場合は、隣接する横浜アイランドタワー(北仲通南地区第二種市街地再開発事業第一工区)と一体化した増築ビルとして高層棟を建設。現市庁舎に一部の機能を残し、周辺の民間ビルに分散している機能を移転させる案を提示した。
一方、港町地区に建設する場合は、市街地再開発事業によって現庁舎の敷地と周辺の民間ビルが一体となった再整備を実施。北仲通南地区の土地については、民間が施設を整備し、市有地は売却するとした。
また、両案のコスト比較と関内駅前の活性化の視点からすると、望ましい整備パターンは「北仲通南地区を主とした現庁舎との分庁案」との見解を示している。
基本構想の中では、提言の二つの案のほかに、北仲通南地区に全面移転するケースも合わせて検討。さらに、13万2000平方bとしていた新庁舎の必要面積も、よりコンパクトにまとめる方策を探る。
基本構想に先立つ、検討調査は10年度に松田平田設計(横浜市神奈川区)が実施した。