日刊建設工業新聞
2011/05/17
【鳥取】総合評価入札や新格付け方針今週にも改正概要が明らかに/県土整備部
県土整備部が2011年度から適用する建設工事の新しい総合評価入札の概要がようやく今週にも見えてきそうだ。同部は改正案とともに11・12年度格付けの方針を18日にある県建設業協会との会合に示す。現行の総合評価入札は09年6月末の施行から2年が経過しており、施工能力点の各評価項目を見直す。
同部は昨年7月と11月にあった県建協との会合で、評価項目のウエートを含めて改正を検討したいと説明していたが、その後具体的な検討内容は一切明らかにしていない。
これまでに県建協側は、受注額点(4点)について受注による減点幅を大きくすることや元請け・下請けの比率を踏まえた「生産指標額」の算出方法を求めているほか、技術者点(2点)の1級、2級、その他技術者の傾斜配点などを提案しており、同部の対応案に注目が集まる。
改正内容は全般に、固定的な項目を薄めて、各社の技術力をより評価に反映できる制度とする方向だ。現場の施工とは直接関連しない項目を念頭に、見直しは技術者点や企業経営点(2点)を中心に縮小や廃止が考えられそう。地域貢献度(2点)については国交省、市町村に対する活動評価の基準や加点方法を固める。加えて、配置技術者の工事成績点数の扱いや生産指標額の算定が改正内容に含まれるかどうかが、今後の受注状況に影響を与えそうだ。
また、県建協が強く反発している技術提案型の導入を巡っては、11年度からの試行に向けてあらためて県建協と意見を交換する。
一方、11・12年度格付けは、従来の客観・主観点数の審査方法に見直しはないもようだ。前回(09・10年度)、定数140から100に削減した土木一般A級は、昨年と一昨年の受注状況から削減する理由は見当たらず、現行通りとする見方が有力。だが、建築一般A級は、元々発注件数が少なく、前回45から40に削減したのに次いでさらなる絞り込みがあるのかが焦点となっている。
同部は県建協との会合を終えた後、県議会や県入札契約審議会に改正案を諮ると説明しているが、適用時期については今だ明確にしていない。4年前の知事選があった年のスケジュールを参考にすれば、改正総合評価は6月県議会後、7月にかけて周知期間を設定し、新格付けとセットで8月ごろからの適用が想定されている。