建通新聞社
2011/04/27
【大阪】大阪府住宅供給公社 民に挑戦状 府営住宅指定管理者制度に競争参加
大阪府住宅供給公社は、大阪市が2012年度から本格実施する「公募型指定管理者制度」に応募参加することを明言した。現在実施中のモデル実施では公社の応募が認められていない。このため、これまで公社が実施していた府営住宅の管理や計画修繕が、民間の監理会社に移行している。府は指定管理者制度の本格実施では、公社の応募参加を認める方針。公社としては存在価値を示すためにも、これ以上の民間移管は防ぎたいところ。官民による受託競争が始まる。
府営住宅の指定管理者制度では、現在モデル事業として4地区を実施中(1地区は11年度から)。10年度に実施した3地区については、いずれも「満足できる内容」と高い評価を与えており、2012年度には、全府営住宅の指定管理者制度を実施する計画。
その際新たに募集する地区割りについては、6地区に分け、1地区1万3,000〜2万8,000戸の範囲で指定管理者を募集することが見込まれる。同案の地区割りは、▽北摂エリア(豊中市など7市1町)2万8,187戸▽大阪市エリア1万4,404戸▽南河内エリア(八尾市など8市)1万5,614戸▽同(堺市・泉北ニュータウン)1万5,837戸▽同(堺市、泉北ニュータウン除く)1万3,387戸▽泉州エリア(高石市など8市4町)2万1,056戸−となる見通し。
選定においては、これまでの実施結果を踏まえ、極端に低い提案価格に対しては根拠の提示を求めること、福祉や生活に関わる提案はより高いポイントを加算することなどを検討している。
公社は、府営住宅の管理の指定管理者制度モデル実施で、業務範囲が狭まり、枚方管理センターを10年度末に閉鎖。11年度からは4カ所の管理センター体制となる。これ以上の業務規模が縮小は公社の必要性自体を問われることになるため、事業計画で、「民間企業との競争により受託を目指す」と明記。これまでの実績やノウハウを生かし、民に勝る提案を行う決意を示した。