静岡県は、社会保険桜ケ丘病院など災害拠点7病院の建て替え・増築計画に対する助成費として、10億6582万8000円を投入する。国の医療施設耐震化臨時特例基金を活用するもので、2011年度当初予算に病院ごとの助成金額を盛り込んだ。対象7病院のうち、5病院が10年度からの継続事業。11年度から着工するのは、桜ケ丘病院と富士脳障害研究所付属病院のみ。10年度当初交付分と11年度からの追加交付分は、11年度末までの着工が交付の条件(完成は11年度以降でも可)となるため、今後、未着工の病院でも詳細設計や建築本体の発注に向けた準備を進める。
助成事業では、大規模地震など災害時への備えとして、災害拠点病院など医療機関の耐震化を計画。適切な医療提供体制を維持するため、医療施設耐震化臨時特例基金を活用して整備を促進する。
助成の対象となるのは、災害拠点病院、救命救急センター、第2次救急医療機関。未耐震建物(Is値0・6未満)を有する医療機関が実施する耐震化のための新築、増改築、耐震補強工事に対して、医療施設耐震化臨時特例基金を活用し整備費の2分の1を補助する。
病院ごとの助成金額を見ると、11年度から着工する社会保険桜ケ丘病院(静岡市清水区桜が丘町13ノ23)に1578万6000円、富士脳障害研究所付属病院(富士宮市杉田270ノ12)に2260万7000円をそれぞれ計上している。
10年度からの継続事業では、静岡赤十字病院(静岡市葵区追手町8ノ2)に3億4138万6000円、順天堂大学医学部付属静岡病院(伊豆の国市長岡1129)に1億3984万円、浜松医科大学医学部付属病院(浜松市東区半田山1ノ20ノ1)に2億1861万7000円、富士病院(御殿場市新橋1784)に1億6972万5000円、伊東市民病院(伊東市鎌田222)に1億5786万7000円を助成費に充てる。
病床過剰地域での建て替えの場合、整備する病棟の病院数を10%以上削減することが条件。医療施設近代化施設整備事業など既存の補助制度との併用は不可となる。これらの条件に照らし合わせながら、各病院では12年末までに着工が間に合うよう、設計作業を進めていく。
建通新聞社 静岡支社