建通新聞社四国
2011/04/19
【愛媛】教育施設研究所で設計 県運動公園体育館
2017年開催予定の「えひめ国体」の中核施設として、愛媛県総合運動公園(松山市上野町)の改修を計画している県は、運動公園体育館を改修するため、耐震診断と耐震改修設計を含む基本および実施設計を教育施設研究所(広島市)に委託した。今後、耐震診断を実施し、耐震改修の内容や国体の準備に向けた改修内容を勘案しながら基本設計を取りまとめた上で、実施設計を進めていく方針。履行期間は12年1月31日まで。
現体育館は1980年に建設された鉄骨鉄筋コンクリート一部鉄骨造3階建て延べ9046平方bの施設。メーンアリーナとサブアリーナで構成され、メーンアリーナは同造3階建て延べ7602平方b、サブアリーナが同造平屋1444平方b。主な改修概要として、エレベーター1基(15人乗り)を新設するほか、メーンエントランスなどのバリアフリー化を図るとともに、12席以上の車椅子用観覧スペースを整備する。このほかアリーナへの空調設備導入や、体操競技用練習ピットを設置するほか、両アリーナの屋根からの雨漏りに関する目視調査も実施し、屋根改修についても検討していくことにしている。
また、11年度には国体の主会場としての役割を担う総合運動公園陸上競技場のメーンスタンドとサイドスタンドの基本および実施設計(耐震診断と耐震改修を含む)も進める。ただ、設計の委託先については、4月4日に指名競争で入札したものの、低入札価格調査のため保留(15日現在)の状況。
メーンスタンドの規模は、鉄筋コンクリート一部鉄骨造4階建て延べ5370平方b。改修はサッカーJリーグのスタジアム標準も踏まえた施設整備を計画するほか、エレベーター整備や車椅子用観覧スペース改修などバリアフリー化整備を行う。一方、サイドスタンドは、既存の北・南スタンドの改修を図るほか、北サイドスタンド(鉄筋コンクリート造平屋720平方b)と南サイドスタント(同造平屋900平方b)を新築。さらに、スタンドは既存の芝生席を無くし、すべて固席とベンチ席とするほか、観客席は両サイドで約3100席の固席を増設する計画だ。
総合運動公園改修事業は、大規模な施設の配置替えは行わず、現配置のまま必要な改修を行い、既存施設を最大限活用する基本方針で進められるが、県では、今後補正予算で工事費確保ができれば、11年度からの施設整備開始を目指す考えで、工事は16年度のリハーサル大会に間に合うよう順次進められることになる。