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福島建設工業新聞社
2011/04/12

【福島】県、仮設住宅建設の県内業者公募へ要項公表

 震災に伴う仮設住宅の建設に当たり、県内企業活用のための事業者公募が11日スタートした。県内に本店がある建設事業者、団体、共同企業体が対象で18日まで事業者を募集。供給能力・体制、県内企業の活用、被災者の雇用、県産材の利用などを観点に第三者を含めた選考委員会で審査し、22日午後4時までに選定結果と理由を公表する。発注は今月下旬に順次行い、おおむね1カ月後に引き渡す予定。国土交通省でも、復興支援の観点から地域の建設業者や地域材活用を求めており、これに答えた形となる。
 仮設住宅は目下、緊急の課題で、本県では7月末までに1万4000戸の建設を予定しているが、12日現在では2647戸で着工予定が立っているに過ぎない。現在は震災前に協定を結んでいたプレハブ建築協会に委託して建設を進めているが、県建設業協会や県建築大工業協会も支援を申し出ている。
 県は早急な建設を目指しこのうち4000戸をめどに、県内企業で建設できるよう公募で事業者を決めることとした。県が建設地を指定し、そこに建設する。建設する住宅は、事業者によるリースと県の買い取りの2種類がある。
 供給する住宅は県が定める標準仕様によるもので、主たる供給タイプとなる30m2(2DK)と20m2(1DK)、40m2(2LDK、3K)の3タイプ。最低限必要な仕様を示しており、提案に幅を持たせる。
 応募者要件は県内に本店がある建築工事業の建設業許可業者で、経営事項審査を受けていること。これらの要件を満たす代表と構成員による団体、共同企業体の申請も可能だが、あらかじめ運営などについての定款が必要。過去3年間に年間20戸以上(団体等は構成員合計30戸以上)の戸建や共同住宅の供給実績を付けている。
 指定された土地で住宅、電気、ガス、上下水道、合併浄化槽等の建設工事を行えることや100戸以上の応急仮設住宅の供給能力も求めた。
 申し込みにはこれらの資格を証明するものに加え、所定のモデル団地での配置計画案も付けた。
 事業者選定には@県の標準仕様に合致A上限価格は30m2で販売が600万円、リース(2年間)520万円B下請、2次下請工事には県内企業活用を配慮C工事作業員に震災被災者雇用を配慮D県産材を活用E入居後の維持管理体制整備―を条件に、確実な施工体制、供給住宅の性能・品質、被災者雇用、県内企業の活用、県産材の活用を観点として総合的に審査し、優れた提案を候補者とする。
 申し込みは18日まで郵送か持参で事務局の県営繕課に送付する。有識者3人と行政2人による選定委員会が候補者を選び、22日午後4時までに候補者と選定理由を公表する予定。