北海道建設新聞社
2011/04/11
【北海道】2年連続で増額−道内35市の2011年度工事請負費
道内35市の2011年度当初予算に占める工事請負費と建設改良費の総額は、10年度比1.4%増の1913億円で、2年連続で増額となっている。20市が10年度を上回った。統一地方選のため骨格予算を組んだのが14市に上る中、学校などの整備を豊富に盛り込む札幌のほか、函館など7市が10年度を上回る工事請負費を計上している。
35市の一般会計と特別会計の工事請負費と企業会計の建設改良費を本紙が集計した。留萌市は企業会計分も工事請負費を計上している。11年度は4月に統一地方選挙があるため、10年度より10市多い14市が骨格予算となる。35市のうち、骨格の7市を含む20市が10年度を上回る工事請負費などを計上。選挙後、6月議会に上程する肉付け補正も加えれば、10年度を大きく上回る可能性がありそうだ。
工事請負費などの合計額を50億円以上計上しているのは8市。骨格の千歳など10年度より3市減った。札幌市は骨格ながら、北白石小改築など学校整備を積み上げ750億5500万円とし、4.9%の増額計上。旭川市は下水処理センター増設やクリスタル橋新設など継続工事があり17.5%増の125億5100万円。北見市は市民会館の改修や市庁舎移転関連事業などで33.5%増の96億5000万円と、100億円に迫った。
函館市も骨格ながら、北消防署改築や障害児者統合施設新築の着工費で4.1%増の93億8800万円に。釧路市は釧路小改築着工などで5.6%増の91億7900万円、岩見沢小改築に着工する岩見沢市も29.8%増の75億700万円、帯広市も保育所の移転改築などを盛り込み、肉付け補正後比7.4%増の69億4400万円、中小規模工事を積み上げた苫小牧市は9.1%増の67億1700万円。
このほか、伸び率の高い市を見ると、根室市は市立病院の改築で79%増、石狩市は花川中大規模改修や緑苑台小増築などで63.9%増。一方、滝川市と砂川市は、ともに市立病院改築が終了した上、骨格予算のため、滝川が66.2%減、砂川が60.1%減となった。
骨格予算以外の市で、50.5%減と最も減った北広島市は廃棄物処理施設などの大型事業が完了する一方、公住建て替えなどの基本設計に入るという工事の端境期になったため。