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日刊建設工業新聞
2011/04/08

【鳥取】米子市19日開札から最低制限約90%/公共工事減少の中で数少ない朗報

 米子市は2011年度から建設工事に関する最低制限価格ラインを従来の85%程度から90%程度までに引き上げたが、19日に開札執行する郵便入札2件をその第一弾に設定した。1件は土木B級対象の市内公共ます設置工事、もう1件は電気工事B級対象の市庁舎音声誘導装置設置工事で、奇しくも土木系、建築系それぞれ1件ずつで始まった。
 市では減少し続ける公共工事量の中で、低価格調査制度など様々な制度を導入したが、いかんせん、少ないパイを奪い合う激しい価格競争が収まる気配はなく、低価格入札が横行。そこで工事の品質確保を主眼に08年度から最低制限価格制度を導入した。ただ、旺盛な受注意欲のもとでは、制度導入だけでは収まらず、それ以降も最低制限価格ラインでの低価格入札が続き現在に至っている。
 企業維持のために繰り返す低価格での受注では、結局のところ赤字となり、それが下請け代金、労務賃金へのしわ寄せに結びつき、最終的に工事品質の低下など様々な問題を引き起こす要因となっているため、市は、対応策に関する熟慮を重ねてきたが、鳥取県が10年8月に最低制限価格をおおむね90%に引き上げたのを参考に、市も同様にその重い腰を上げ、県に準じる形での最低制限価格ラインの引き上げに踏み切った。
 引き上げによって最低制限価格の算出式は、既報の通り土木系は(直接工事費+共通仮設費+現場管理費×10分の9+一般管理費×10分の3)×1・05。建築系は(直接工事費+共通仮設費+現場管理費×10分の4+一般管理費×10分の3)×1・05―となった。