建通新聞社四国
2011/04/08
【愛媛】トンネル洪水吐本体工着手 鹿野川ダム
国土交通省四国地方整備局は1日、2011年度予算概要を発表した。四国全体の配分額は事業費ベースで直轄1051億円、補助・交付金1123億円の計2174億円。直轄事業の県別配分額は示されていないが、愛媛県内の直轄事業では、11年度中の全線暫定供用を目指す四国横断道自動車道宇和島北IC〜西予宇和IC、全線開通を目指す国道33号三坂道路などの道路事業や、鹿野川ダム改造をはじめとする河川事業、さらに松山港外港地区の国際物流ターミナル整備など港湾・空港事業を推進する。一方、県内への補助・交付金配分額は、前年度当初比23%減の378億円を配分。東予港西条地区防波堤整備事業に新規着手する。
今回、新規の直轄事業としては、道路事業関係で国道33号の「道の駅(仮称)くまこうげん」の簡易パーキング整備が盛り込まれた。事業費8400万円をかけ、用地買収を推進するほか、調査設計に着手する方針だ。
11年度中の全線暫定供用を目指す四国横断自動車道宇和島北〜西予宇和延長16・3`には30億6000万円を投入し、改良や舗装工の最終整備を促進させる。また、国道33号三坂道路(久万高原町東明神〜松山市久谷町大久保)には38億円を配分。橋梁工や改良、舗装工を推進し、延長7・6`の全線完成供用を目指す。
これらのほか主な道路直轄事業の11度計画をみると、港湾・空港と高速道路ICを連結する道路整備として整備促進を図る国道33号松山外環状道路インター線(事業延長4・8`)に45億円余を確保するとともに、国道56号松山外環状道路空港線(延長3・8`)に10億円余を配分。早期供用に向け、調査設計や用地買収、橋梁・改良工など推進する。国道56号宇和島道路(宇和島市)では27億円をかけ、用地買収やトンネル工、橋梁・改良工の進捗を図るとしている。
東予地区でも国道11号新居浜バイパス(新居浜市)整備に16億円を投入し、用地買収、改良・舗装工を推進する。国道196号今治道路は約11億円をかけて調査設計や用地買収を継続する。
河川事業では、鹿野川ダム改造に約30億円が盛り込まれた。ダム右岸に整備するトンネル洪水吐工(延長約450b、口径11・5b)本体工に着工するほか、環境、水理・水文調査を実施する。
これらのほか肱川関係では、一般改修に11億円、大洲市大和地区の土地利用一体型水防事業に4億7000万円。重信川関係では、一般改修(JR石手川橋梁改築)に2億60
00万円、重信川・表川の砂防事業に3億6000万円などとなっている。
港湾・空港事業では、補助事業で新規に東予港西条地区の防波堤整備(対象延長500b)に3500万円を配分。調査設計に着手する。また直轄事業の松山港外港地区国際ターミナル(水深13b)の整備推進には約12億円を投入するほか、松山空港には約1億円をかけ、経年劣化に対応した誘導路舗装改良を実施する。
なお、国交省は東日本大震災への対応をめぐり、1日の閣議で財務大臣から「公共事業予算・施設費について5%を一つのめどとして執行をいったん留保する」との方針が示されたこから、直轄事業は配分額を変えずに予算執行段階で原則5%留保する考え。一方、社会資本整備総合交付金などの補助事業はあらかじめ5%留保して配分している。