福島建設工業新聞社
2011/04/01
【福島】地元建設業界に協力要請/県、応急仮設住宅早期建設で
県は31日、知事名の文書で県建設業協会、県建築大工業協会、県電設業協会、県空調衛生工事業協会など県内の建設関連7団体に対して、応急仮設住宅の建設に関する応援協力を求めた。
今般の東北地方太平洋沖地震で県内の住宅が多数被害を受け、県内外に避難している住民の早急な住宅対策が求められていることから、7月末までに約2万戸の住宅供給を目指して作業を進めている。
対策の一つとして応急仮設住宅の建設計画がある。県はこれに1万4000戸を充てる方針で、「災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定」に基づきプレハブ建築協会に一括して建設工事を発注した。3日までに県内9市町村で約700戸が着工しているが、今後引き続き県内自治体と適地の折衝を行いながら急ピッチで体制を整えていくことになる。しかし、建設資材や労働力確保などが厳しくなることも予想され、地域事情に精通した地元業界との連携が不可欠になるとして先に意見交換した前記4団体と県管工事協同組合連合会、県エルピーガス協会、県森林組合連合会に協力を呼びかけた。
こうした県の要請に呼応するように県建築大工業協会(大橋仁一郎会長)は31日、郡山市磐梯熱海の清陵山倶楽部で緊急全体会議=写真=を開き、総力を挙げて木造の応急仮設住宅を建築して県の対策を支援することを申し合わせた。
全体会議には、会員、非会員を問わず在来木造工法を手掛ける棟梁や職人約50人が出席した。
大橋会長は「県外からも多くの人々が本県に入られて、県民を支えていただいている。われわれもできる限り応援していきたい」とあいさつし、出席者に協力を要請した。
県建設業協会と県建築大工業協会は1日、県建設業協同組合と連名で、県土木部の営繕課を訪ね、応急仮設住宅の建設支援を申し入れた。
要望書によると、両協会はプレハブ・コンテナ住宅を1000戸、木造仮設住宅を1000戸供給できるとしている。菅野日出喜県建協建築技術委員長、菅野四郎大工協副会長、佐藤賢二県建設業協組専務らが県庁を訪れ但野広営繕課長に要望書を手渡した。