県は、東日本大震災に関連する本年度補正予算を25日に専決処分した。災害関連の県債や国庫補助などを財源に、被災者に対する災害救助経費や道路、水道の応急復旧費など、緊急的に必要な経費71億9000万円を計上。そのうち公共事業費に36億円を盛り込んだ。なお本格的な復旧経費は、新年度予算の補正などで対応する。
財源として、災害関連の県債や国庫補助などを活用するほか、所要の一般財源については地方交付税(特別交付税確定による増分10・2億円)と一般財源基金からの繰入金(4・5億円)を充当。
補正総額は71億9000万円で、一般会計に58億2000万円、特別会計に2億2000万円、企業会計に11億5000万円を配分している。
この補正は、災害復旧関連、災害救助関連、予備費の3つに分類される。
まず災害復旧関連は52億5300万円。そのうち道路や下水道、港湾、漁港の応急復旧など公共事業費に36億円を計上。内訳として、道路関連へ約21億円、河川の浚渫などへ約7億6000万円、港湾の調査費へ約4億円、漁港の埋設物除去へ約5000万円を配分。
そのほか、上水道や工業用水道の漏水復旧などに8億300万円、県立中央病院の院内施設や医療機器への修繕などに1億8000万円、県立カシマサッカースタジアムの緊急修繕や本格復旧の設計に7000万円、そして県立学校や県庁舎など県有施設の応急復旧に6億円を盛り込んだ。
一方、災害救助関連では14億3700万円を計上。災害救助費に3億円、災害対策本部などの活動経費に11億1700万円を配分している。
予備費は5億円で、災害復旧や被災者支援など、あらゆる事態に機動的に対応できるよう予算を計上している。
橋本昌知事は会見で、「年度内に手続きを進めたほうが、事業が順調に進むものもあることから、補正予算を組んだ。本格的なものは、来年度の補正で、国の補正を待って編成していくと思う」と補正の主旨を説明。
また、県内の地震被害額について「1000億円近くになるかもしれない。土木関係だけでも何百億円の単位になるのは間違いない。それから農業関係も、液状化などで、かなりの金額になると思う」との見解を示した。
提供:日本工業経済新聞