静岡県は、草薙総合運動場硬式野球場(通称・静岡草薙球場)の外野スタンド改築に伴う実施設計を佐藤総合計画静岡事務所(静岡市葵区)に委託した。2009年度に実施した基本設計を踏まえ、外野フィールド部の拡張計画や新設外野スタンドの詳細規模を固めるほか、大型映像装置付きの電光掲示板、既存スコアボードの電化改修などの施工計画を策定する。11年度当初予算には外野スタンドの拡張・新設整備費として8億1500万円を計上。順調なら設計が完了後、11年度のシーズンオフに当たる10〜11月以降に本体着工し、13年春の供用開始を目指す。
整備方針として、フィールドの拡張に伴い、外野スタンド(鉄筋コンクリート造平屋4073平方b)と外野切符売り場(64平方b)を改築。観客席を現状の芝生席(盛土構造)から、イス席と立見席に全面改修する。
既存の外野フェンスは撤去した上で、7〜8b程度後方に再設置。本塁〜両翼間で98b以上、本塁〜中堅間で122b以上の広さを確保する。改修によって、球場の収容人員を増員させる(現在3万人)。
今回委託する実施設計では、新スタンドの規模や整備手法、施工スケジュールの詳細を決める。具体的には、基本設計で策定した改修計画に沿って、新外野スタンド(鉄筋コンクリート造3階建て延べ6479平方b)の施工計画、外部水路の切り回し部分のボックスカルバート敷設計画、既存建物の解体計画をそれぞれ策定する。
また実施設計では、@大型映像装置付きの電光掲示板設置A既存スコアボードの電化改修Bグラウンドの天然芝化C照明塔の照明角度の調整D内外野スタンドへの新スタンド設置−など、全面リニューアルの整備手法を固める。
実施設計の委託期限については、今後協議を重ねた上で決定する。野球がシーズンオフを迎える11年度の第3四半期にも工事発注したい構え。11〜12年度の2カ年で整備を進める。本体総工事費として約25億円を見込んでいる。
現在の球場は、ホームベースから外野フェンスまでの距離が、両翼91b・中堅115bの広さで、プロ野球などを開催する上では狭さが指摘されてきた。そこで、公認野球規則に沿って、レフト・ライト共にホームベースから両翼までの距離を98b以上、中堅までの距離を122b以上に拡張するもの。
所在地は静岡市駿河区栗原19ノ1。
建通新聞社 静岡支社