建通新聞社四国
2011/03/25
【愛媛】簡易実績型の6月導入など盛る 県
愛媛県は、低入札対策と総合評価落札方式の見直しなどを柱とする入札・契約制度の改善策をまとめた。
低入札の防止に向けては、簡易型総合評価落札方式の「施工体制確認方式」や、低入札を繰り返す業者を一定期間入札から排除する措置を全部局で実施する。合わせて、低入札を繰り返す業者の排除措置も強化。総合評価落札方式については、WTO対象案件で標準型の総合評価落札方式を実施する。また簡易型総合評価落札方式では、より評価項目を簡素化した方式「簡易実績型」を導入し、土木部発注案件で試行するとともに、評価項目についても見直す。この改善案は17日に愛媛県立図書館5階多目的ホールで開催された愛媛県建設業審議会(鈴木幸一会長など委員14人)で諮問案件として審議、原案通り知事へ答申された。県は一部を除いて4月からの実施を目指す。
2010年度から土木部発注工事で試行実施している簡易型総合評価落札方式の施工体制確認方式や、低入札を繰り返す業者を一定期間入札から排除する措置は、1年を経過して順調に運用できているため、4月から県の全部局で本格実施する。
低入札を繰り返す業者については排除措置を強化。四半期ごとの基準日で2回低入札を行えば翌々月から3カ月間、入札に参加できなくする。また基準日に3回以上低入札を行えば3+(低入札回数2)カ月間、入札から排除。つまり、3回ならば4カ月、4回ならば5カ月となる。4月から実施する。
総合評価落札方式については、WTO対象案件(予定価格23億円以上)で標準型総合評価落札方式を導入する。11年度は(仮称)千丈トンネル建設が対象となる予定。
また簡易型総合評価落札方式では、より評価項目を簡素化した方式「簡易実績型」を6月1日から土木部発注案件で試行実施する。対象は設計金額800万円以上3000万円未満で、これにより土木部発注工事では一般競争入札案件はすべて総合評価落札方式で実施することとなる。簡易実績型の評価項目は基本的に、配置予定技術者、地理的要件、地域貢献度となる。施工計画と企業の施工能力の評価項目は求めない。
さらに、評価項目の見直しについては4月から実施。優良工事表彰では「表彰履歴は土木一式工事を発注する場合のみ評価する」や「評価対象とする表彰は土木一式工事で表彰を受賞したものに限る」とし、表彰を評価する範囲を見直した。地理的要件では「現在の旧市町村単位の加点区分を削除する」や「加算点の満点を15点から10点に引き下げる」とし、加点対象とする地区割りなどを改めた。また新規には、総合評価落札方式でBCP認定業者を加点評価する。11年度から「えひめ建設業BCP等審査会」が設置され、全国自治体初の認定制度が開始。評価の実施時期は1年後の12年度をめどとしている。