福島建設工業新聞社
2011/03/23
【福島】「危険」判定は1440棟に/建築物危険度判定/636人がボランティア
県が21日夜現在で集計した建築物応急危険度判定状況によると、県内全域で被害は7724棟に上り、うち5652棟で判定を実施した。この結果、いわゆる赤紙=危険と判断したものは1440棟、黄紙が1822棟、検査済みが2390棟。
「危険」とされたものは県南地域581棟、県中574棟、県北208棟が多く、ほかは会津23棟、相双44棟、いわき10棟。
判定には官民合わせ延べ636人が当たっており、中には、姉妹都市からのボランティアも加わっているという。須賀川では約3000棟、鏡石も約700棟と要判定施設が多数あったため当初、県外の判定士に依頼することも検討していたが、現在は県内で実施できる見通しとなっている。
建築物の応急危険度判定は、被災市町村が県に要請し、県が登録された名簿を基に判定士に連絡している。判定希望者は、各市町村窓口に申し出ることで、市町村から県に要請が行き、県が調整して判定士を派遣することになる。被災建築物を調査し、余震による倒壊の危険、外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定する。判定結果は、赤=危険、黄=要注意、緑=調査済みの3種類に分けて外部からも見やすいところに掲示し、付近の通行者にも注意を促す。
全国建築物応急危険度判定協議会(事務局=日本建築防災協会)によると、東北地方太平洋沖地震を含む21日午前10時現在の13都県(岩手県一関市〜静岡県富士宮市)の判定は、延べ3604人で3万6355件の施設に対して実施しており、うち危険判定が5027件となっている。