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日刊建設タイムズ社
2011/03/15

【千葉】「燃料枯渇による運転停止」に危惧/東日本大震災で県土整備部 計画停電による下水道処理施設への影響

県県土整備部は、11日午後に発生した「東日本大震災」に係る同部の被害状況の内容を更新した。
 このうち、二転三転した東京電力の「計画停電」について、震災に伴う供給能力低下のため、東電が「需要ピークの午後6〜7時を含む3時間について計画停電を実施する」との発表に対する下水道の対応としては、「流域下水道のポンプ場及び処理場は、3時間程度の停電であれば自家発電設備の対応により、汚水の流下・処理に支障はない」としたことに加え、「計画停電が長時間化・長期化した場合、燃料枯渇によりポンプ場及び処理場が運転停止となり大きな影響が出る」との懸念を示した。
 独自の調達折衝と「庁内連絡会議」(仮称)で対応 
燃料については「独自に調達折衝を行っているが、確実に調達するため、計画停電の『庁内連絡会議』(仮称)を通じてお願いを行う」としている。
 さらに、下水道利用者に対しても「家庭排水の抑制を要請」するよう、流域関連公共下水道管理者(市町長)に依頼した。
 河川の被害状況においては、護岸の倒壊を根木名川(成田市)を加えた10河川14個所としたほか、2河川の2個所で河道閉塞、18河川の27個所で堤防の亀裂が傾斜、沈下等を生じているとした。
 また、浦安海岸、市川海岸、北九十九里海岸、旭海岸の4海岸7個所で護岸の損壊等に加え、成田市、旭市、栄町、多古町の急傾斜地9個所での法面崩壊等を追加した。
 公園の被害状況では、津波により園内が水浸しの状態となった蓮沼海浜公園について調査した結果、機械室4室で19基のポンプ等に浸水の被害が確認された。
 県立幕張海浜公園の対応状況では、災害協定に基づき、(社)千葉県造園緑化工事業協会の協力を得て、引き続き被害個所の応急措置を進めている。
 災害個所の復旧については、液状化が発生している個所が広範囲であることから、現在、現況調査を行うとともに、関係者との協議を行い、措置方針を検討している。
 県立北総花の丘公園の危険個所は、立ち入りが出来ないように封鎖するとともに、現在、指定管理者がコンクリートの段差の解消を行っている。
「提供可能住宅」県全域で115戸確保
 県営住宅の被害への対応では、避難している被災者のうち従前の住居での生活が困難者について、住宅課がすぐに入居できる県営住宅、公社賃貸住宅等の状況を調査。
その結果、県全域における提供可能な住宅は、県営住宅67戸、市町村営住宅33戸、千葉県住宅供給公社賃貸住宅15戸の計115戸を確保。ただ、県営住宅については、入居までに概ね2週間程度かかるという。
 県総務部消防地震防災課発表(第31報、15日12時現在)による建築の被害状況は全壊371棟、半壊243棟、一部破損7693棟、床上浸水466棟、床下浸水206棟。
 被災建築物応急危険度判定は、香取市、成田市、佐倉市の3市が実施中で、旭市が実施を予定。これら4市とも、県への支援要請はなく、町村では東庄町が実施を検討中だという。
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