建通新聞社
2011/03/15
【大阪】阪高大和川線スーパー堤防を11年度も継続
国土交通省近畿地方整備局は11日、2010年度第6回事業評価監視委員会(委員長・小林潔司京都大学経営管理大学院院長)を大阪市内で開き、阪高大和川線(一体整備)地区の高規格堤防整備事業の再評価を行った。同局は「11年度は必要最小限の措置を行い継続実施する」との対応方針を示し、委員会は「対応方針の通り事業を継続して良い」と了承。これにより大和川の1地区、淀川の3地区(海老江・大宮・大庭)で11年度もスーパー堤防事業が継続されることとなる。
事業仕分けで廃止と判定された「スーパー堤防」事業について、国交省河川局は12年度概算要求までに事業スキームの抜本的見直しを行い、12年度予算に反映する方針。11年度においては「中止した場合に、土地所有者や住民などの社会経済活動に重大な支障を及ぼすものに限り、関係者の意見を聴取するとともに、事業評価監視委員会に諮った上で、必要最小限の措置を行う場合」を除き、予算措置をしないとしている。
近畿管内では現在実施中の11カ所のうち、「中止した場合に重大な支障を及ぼす」として4地区を挙げ、同委員会に諮った。このうち、阪高大和川線(一体整備)地区については、事業継続が了承されたものの「早期見直し」を求める委員もいたため、議事録を添えて本省に報告する。
15年度完了を目指す阪高大和川線地区のスーパー堤防(延長3,100m)は、14年度末供用予定の大阪府道高速大和川線事業と一体的に整備し、水辺空間を生かしたまちづくりと、堺市での壊滅的な浸水被害の発生を未然に防止するもの。
三宝地区では、大型移転物件として残る三宝下水処理場が移転工事中で、14年度まで移転補償の河川負担金を支払う必要がある。錦西地区は、仮移転している錦西保育所を15年度までに本移転することとしており、11年度に高規格堤防盛り土を完成させなくてはいけない。錦綾地区は、大和川線工事の進捗状況に合わせ、12年度から高規格堤防盛り土を実施する予定だ。
淀川の海老江・大宮・大庭地区のスーパー堤防を含め、大阪府知事も「事業継続が妥当」と示している。