東京都の石原慎太郎都知事は14日、東北地方太平洋沖地震の発生を受けた緊急会見を開き、被災地の救命救急・復旧復興活動に「考えられるすべての協力を全力で行う」との決意を表明。その上で、財源についても「100億円単位で準備するよう指示した」と述べた。電力不足への対応では、省エネ・節電緊急対策本部を設置し、エネルギー消費量の大きい大規模事業所や東京商工会議所などの業界団体に節電を呼び掛けていく。
石原知事は今回の被害について「時間の経過とともに、未曾有(みぞう)の被害が広範囲で明らかになっており、まさに国難と呼ぶべき事態だ」と説明。既に、警察・消防の部隊のほか、上下水道の復旧先遣隊の派遣などの対応を図っており、今後も基金の取り崩しなどで財源を確保し「現場の実情に即した手立てを速やかに実行する」と語った。
14日から始まった東京電力の計画停電に伴い、CO2総量削減義務制度の対象となる大規模事業所や、地球温暖化対策報告書制度の対象となる中小規模事業所、関係する業界団体などに、省エネ・節電を要請する。省エネ・節電緊急対策本部も14日に設置し、都庁舎のエレベーター半数の運転を停止するなど、緊急対策を講じる。
また、都発注工事でも、建設局や財務局建築保全部が各現場の工期・工程・技能者の配置状況などに関する調査を開始し、省エネ・節電対策を含めた対応を図ることもあり得る。また、下水道のシールド工事などは計画停電の時間帯はストップせざるを得ず、全体工期に影響が出る恐れもあるという。
入札手続きについては、財務局経理部契約第一課が14日の開札作業(9件)を予定通り行ったほか、建設局が設計委託などの見積もりについて、公共交通の乱れに伴って開札時刻を変更するなどの対応を図ったという。
提供:建通新聞社東京支社