建通新聞社四国
2011/03/11
【愛媛】松田平田に設計委託 県庁第1別館耐震改修
愛媛県は、県庁第1別館(松山市一番町)の耐震改修を計画、低入札価格調査で保留としていた設計業務をこのほど松田平田設計(大阪市中央区)に委託した。工法は免震工法に決定、2011年度中に設計を完了させ、早ければ12年度から工事着手する考えだ。
第1別館は1981年の建設で、規模が鉄骨鉄筋コンクリート造地下3階地上11階建て延べ2万0462平方b。01年3月に発生した芸予地震を受け、実施した耐震診断の結果、防災拠点としての強度レベルを一部満たしておらず、補強改修が必要であるという判定に至った。また災害時に防災拠点となる災害対策本部が置かれる建物であり、県民の安全、安心を確保するという観点からも早期に改修工事を行うことが必要とされている。
07年度に耐震補強の工法、必要経費の概算などの調査・検討を行い、鉄骨ブレースなどを使用する「在来工法」、各種ダンパーなどを取り付けて振動エネルギーを吸収する「制震工法」、基礎と土台の間などに免震装置を取り付けて揺れを建物に伝えにくくする「免震工法」の3工法を候補とした。これをもとに移転費用、仮庁舎費用など必要となる関連経費を含むトータルコストを考慮し、耐震安全性、工事の執務への影響など総合的に検討した結果、「免震工法」で施工することに決定した。
今回の業務では、免震工法(中間階免震・地下1階)による耐震改修の実施設計を行うほか、工事は執務継続の中で想定しているため、工事中の避難経路などを考慮するとともに、一部使用不可となる部分の移転なども含めて検討する。
また、耐震改修にあたっては、非常時の業務継続に必要な電源の確保に向けて、非常用発電設備の更新も併せて行われる。調査設計は大建設計工務(松山市)に委託して進めている。