山梨県議会の土木森林環境常任委員会(委員長・棚本邦由県議会議員)が8日開催され、県2010年度2月補正予算案や11年度当初予算案などについて審議。2月補正予算についてはスムーズに進んだが、契約締結案件で時間を費やした。
このうち、県営住宅設置など条例の一部を改正する条例案では08年、住宅に困窮する低額所得者に対し住宅を供給するため、中堅所得者を対象とする特定公共賃貸住宅の一部を、低額所得者を対象とした県営住宅へ用途変更。具体的には232戸あった同住宅のうち、118戸を県営住宅へ用途変更した。現在県営住宅の待機者は470人を越えている一方で、残った114戸は入居率が60%を割り込んでいる。この状況を踏まえ07年度と同様に、特定公共賃貸住宅の一部34戸を県営へ用途変更していく。
このほか、国道140号万力トンネル建設工事の契約締結案件で落札者に談合疑惑が浮上しているとし、丹澤和平委員からは「議会の最終日までに落札者に措置命令が出れば、直ちに指名停止となることが明らかになった。事前通告がなされている以上、公正取引委員会から近く公表されるだろう。今ここで急いで決める必要はない。しばらく見守ったほうが良いと思う」と継続審査を要求。いったん休憩に入り、約1時間近く話し合った後、同委員が出した案で多数決をしたが、可否同数となり、委員長は否決と採決。国道140号万力トンネル建設工事の契約締結案件は可決された。
西関東連絡道路は、山梨県と埼玉県を結び、甲府市と峡東地域をつなぐ延長110kmの地域高規格道路。甲府市桜井町から山梨市万力までの約5400mは甲府山梨道路1期として2006年度に供用し、渋滞緩和や時間短縮に大きな成果を出ている。現在万力から東のL4000mを2期として08年度から事業を開始。今回契約を審議したのは、万力トンネルはL1379mの万力側半分のL608m、W7m(ナトム工法)。工期は12年12月末を予定している。
提供:山梨建設新聞