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北海道建設新聞社
2011/03/07

【北海道】ノーステック財団が札幌市内に植物工場を計画

 北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)は、札幌市内で植物工場の新設を構想している。15億円を上限とする経済産業省の補助金活用に向け、3月末までに計画内容を盛り込んだ申請書を提出する。企業主体の研究拠点として工場を整備し、道内の食産業強化に結び付ける考えで、経済界から注目を集めている。

 植物工場は、LED照明や空調機器を用いて、必要な光や温度の管理をし、農作物を人工栽培する施設。自然栽培とは異なる生育リズムとすることができる点が特徴で、道内では札幌市豊平区の産業技術総合研究所北海道センター内にある。
 ノーステック財団は、経産省のイノベーション拠点立地支援事業の補助金を活用して事業化を目指す。2010年度補正で措置された総額100億円の制度で、採択を受けた事業者に対し、15億円を上限に必要経費の3分の2を補助する。4日に札幌第1合同庁舎で、申請窓口のみずほ情報総研(本社・東京)による補助金概要の説明会が開かれた。
 ノーステック財団は、北大との連携による事業化を視野に入れていて、札幌市内の北大リサーチ&ビジネスパーク内に工場を新設する可能性が高いとしている。体制を固めた上で公募期限の28日までに申請書を提出する。
 経産省によると、採択時期は4月下旬から5月上旬、補助金の交付決定は5月下旬から6月上旬となる見通し。採択を受けた事業者は交付決定後に設計、工事を始める。
 道内では、北海道経済連合会の主導による、道内食産業の競争力強化を目指す食のクラスター活動が本格化している。
 道経連は10年9月、札幌、江別、帯広、函館の4市と共同で、内閣府に北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区構想を提案。この中で、植物工場を活用した企業の研究促進を食産業強化のための重点課題に位置付けている。