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建通新聞社(静岡)
2011/03/07

【静岡】静岡県 9・7億投入し、一般・災害など1181fの森林を再生

 静岡県は、もりづくり県民税を財源に充て荒廃森林(人工林・里山林)を再生する「森の力再生事業」で、2011年度は9億7200万円を投入し、1181fを整備する。一般森林の再生整備(1093f)に加え、過去の台風などで被災した森林30fを対象に復旧事業を計画。竹林や広葉樹では、58fの再生整備を見込む。事業は11年度で創設6年目。「荒廃森林の再生整備」という建設業者の新分野への参入で、山村地域に新たな雇用の創出が期待される。
 整備内容として、広葉樹の自然発生を促す強度間伐のほか、森林の樹種転換のための抜き伐り、皆伐が中心。ただ、作業路の開設・改良や木製構造物の整備など土木工事も多く含まれる。森林組合の不在地域が抱えていた放置荒廃林問題の解消につながっている。
 11年度は、10年度計画比で21・4%減の1093fを整備する予定。累計面積では11年度末で7339fに達する見通しで、全体計画比では約60%の進ちょくとなる(=表参照)。
 当初予算には事業費など9億7200万円を計上。6億8200万円を投じて一般森林の再生事業を進めるほか、早期の機能回復が求められる森林の再生には8300万円を充てる。権利者の理解が浸透しつつある竹林や広葉樹林の再生については、1億9700万円で58fを整備する計画だ。
 再生事業の仕組みは、まず整備者となり得る地元建設業者、森林組合、NPOなどが山林所有者と交渉し、整備委託契約を締結。県(各農林事務所)に対し補助金を交付申請する。
 農林事務所が申請書や整備計画書などを審査し、補助金交付を決定。所有者・整備者との間で三者協定を結んだ後、着工となる。基本的に整備費は100%補助される。事業の担い手となる地元建設業者や造園業者にとって、受注には行動力や折衝力が求められる。
 整備者が満たすべき要件は、森林整備工事入札参加資格者名簿に登載済みの団体のほか、専門技術者(日本林業技術協会が認定する林業技士、森林整備に従事経験者など)を有する建設業者やNPO。加えて、チェーンソー特別教育を修了した3人以上の作業スタッフの確保が必要となる。
 県では全体計画として、6年後の15年度までに総事業費84億円を投じ、1万2000fの再生整備を計画。土砂災害防止や水源のかん養など、「森の力」を回復させる。 

建通新聞社 静岡支社