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建設新聞社
2011/03/04

【東北・宮城】 建築団体に相談窓口/宮城県が介護環境整備アドバイザリー制度を創設

 宮城県は2011年度の緊急雇用基金を活用した新規事業として、建築士を活用した介護環境整備アドバイザー制度と、建築技術キャリア形成支援事業を実施する。介護環境整備アドバイザー制度は委託を受けた建築関連団体が7人を雇用し、福祉施設から寄せられるバリアフリー化などの相談に無料で対応する。一方、建築技術キャリア形成事業は建築系の未就業学卒者が対象。建築関係団体を通して設計事務所などに研修を委託し実践力を養う。6月から実施する見込み。
 緊急雇用基金は国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金を基に創設したもので、離職を余儀なくされた非正規労働者や中高年齢者の失業者に対して、次の雇用までの短期の雇用・就業機会を提供する。
 同基金を活用する介護環境整備アドバイザーは介護・福祉施設の環境改善相談に無料で対応する。県は相談窓口の設置を建築関連団体に委託。団体は7人の建築士を雇用し、介護環境整備アドバイザーとして相談窓口に配置し、老人福祉施設からの相談受付や訪問相談を行う。
 今のところ大河原、仙台、大崎、栗原、登米、石巻、気仙沼の県内7地区に一人ずつ配置する予定だが、状況に応じて流動的に対応する。
 建築士を活用したアドバイザー制度は全国的にも珍しいが、千葉琢夫建築宅地課長は「雇用確保だけでなく、介護・福祉施設の適正な施設整備を促す効果を期待している」としている。
 また、建築技術キャリア形成事業は県内で建築系の学校を卒業して3年程度の未就労者に設計事務所などを研修企業として斡旋し、約10ヵ月かけて実践力を身に付けてもらうのが目的。委託を受けた建築関連団体が会員に研修業務を再委託する。雇用は10人を予定している。
 両事業とも新年度早々に委託先の団体を決め、建築士と研修生を募集。6月をメドにスタートさせたい考えだ。