北海道建設新聞社
2011/02/23
【北海道】道内建設業の営業利益率、限りなくゼロに
道建設部は22日、2010年度版の「北海道における建設業の概況」を発表した。09年度の道内建設業の売上高営業利益率は、08年度の1.1%から0.0%に下降し、本業のもうけを表す売上高営業利益率の全道平均が限りなくゼロに近い数値だったことが明らかになった。道内建設業の営業利益率は3.6%を記録した1994年度以降、低下傾向をたどっている。また、公共と民間を合わせた09年度の道内建設投資額は、2兆3648億円で08年度比0.1%減にとどまったものの、ピークだった93年度の4兆8486億円からは半減している。
営業利益率は、年間完工高から売上原価、販売費、一般管理費を差し引いて算出している。09年度は0.0%と、08年度を1.1ポイント下回っている。09年度の全国調査では1.1%だった。道内建設業の営業利益率は、04年度2.3%、05年度0.9%、06年度1.7%、07年度0.5%、08年度1.1%と、1年おきに上昇、下落を繰り返しながら、長期的には低下傾向をたどっている。
道が08年3月に策定した「北海道建設産業支援プラン」では、完工高重視から利益率重視の経営方針に転換する必要性を指摘しているものの、道内建設業者の08年度完工高総額は07年度に比べ21.4%減少しており、完工高の落ち込みと利益率の悪化が同時進行している。
09年の道内建設業の就業者数は08年より1万人少ない23万人で、全就業者に占める割合は8.8%と08年よりも0.3ポイント低下した。道内の建設業常用労働者の平均月間給与は32万9857円と08年比で2万4279円減っている。月間労働時間は10・1時間短くなり169・5時間になった。
09年度の道内建設投資額は出来高ベースで、2兆3648億円と08年度と同水準。内訳は公共が08年度比8.1%増の1兆5073億円、民間が同11.9%減の8575億円。公共の割合が63.7%に達し、全国の公共のシェア41.2%を大きく上回っている。10年度の道内投資額は2兆100億円で09年度より8.6%減となる見通し。
10年に負債額1000万円以上で倒産した道内建設業は154件で、09年よりも21%減少したものの、道では、公共投資の縮減で道内建設業の経営環境は、今後さらに厳しくなるとみて、地元中小建設業者の受注機会の確保などの支援に引き続き取り組むとしている。