川勝平太知事は10日、静岡県の2011年度当初予算案を発表した。投資的経費は対前年度比で3%減の1656億7400万円。交通基盤部の予算額は1484億8800万円で、10年度を3・3%(部局ベース)下回った。09年度比で8%減だった10年度当初予算よりも減額幅は縮小しているものの、依然として緊縮型予算での編成となった。主要事業では、県立学校の耐震化に37億9700万円を投じ、82棟で補強・改修工事を進める。「災害に強い地域基盤」づくりに向け、河川事業に127億7400万円、海岸事業に20億8100万円、砂防・治山・農地防災事業に112億6600万円をそれぞれ盛り込んだ。新規では、緊急総合治水対策事業に25億円を充てる。
県では、11年度当初予算編成に当たって、健全財政の枠組み堅持を基本線に編成し、年間所要額を最適化させた。しかし、公共・直轄の投資的経費が6%減となるなど、公共投資に対する予算措置の重点化・集約化が色濃い編成となった。
主な土木関係事業では、補助・交付金・単独を合わせた道路整備に総計208億円、合併新法による合併市町を支援する新合併支援重点道路整備事業に12億円、JR沼津駅・富士宮駅の鉄道高架事業に11億4100万円、福田漁港のサンドバイパス事業に8億1400万円、静岡空港の駐機場・格納庫用地の整備に2億8000万円、JR沼津駅とJR富士宮駅の鉄道高架事業に11億0200万円などを計上した。
建築関連の主要事業では、草薙総合運動場硬式野球場の耐震化に36億2900万円、天竜地区新構想高校など県立学校等施設整備事業に27億9400万円、静岡赤十字病院など災害拠点6病院の耐震整備助成に10億6500万円、静岡高校など計82棟の地震対策緊急整備に37億9700万円、環境衛生科学研究所など県有施設の耐震化に3億5300万円などを盛り込んでいる。
《一般会計における投資的経費の占有率は14・6%》
10年度当初予算案の一般会計総額は1兆1324億円で、10年度当初予算と比較して0・5%上回った。特別会計は3701億0100万円(対10年度比9・6%減)、企業会計は636億5500万円(同13%減)となった。
投資的経費は、1656億7400万円(対10年度比3%減)で、一般会計全体に対する構成比は14・6%を占めている。内訳として、県単独は0・1%増で10年度とほぼ横ばいだったが、公共・直轄が10年度当初比で6・2%減と落ち込んだ。補助金など長期継続事業の見直しや事業の重点化・効率化など、徹底した「歳出のスリム化」が予算編成に反映された。
部局別の予算額は、交通基盤部が対10年度比3・3%減の約1484億円、営繕関係事業を所管する経営管理部が同0・7%減の約3179億円となった。この公共2部で予算全体に対する構成比は、予算全体の約41・2%(10年度は45%)を占める。
その他の公共関係部局では、くらし・環境部が対10年度比8・2%増の86億4700万円、経済産業部が同2・2%増の483億3400万円、教育委員会が同0・3%減の2744億6800万円、公安委員会が同4・2%減の766億6600万円となった。
建通新聞社 静岡支社