建通新聞社四国
2011/02/08
【愛媛】検討会を近く発足 大洲土木の小田川河川整備
愛媛県土木部大洲土木事務所は、肱川水系の小田川(内子町五十崎)で、現状の課題や今後のあり方について検討を行う「(仮称)小田川の川づくり検討会」を近日中にも発足させる考えだ。検討会の方針をもとに、2011年度から小田川の河川整備を開始する。
検討会の運営や報告書のとりまとめなどを行う業務は、このほど四電技術コンサルタント(松山市)に委託。納期は8月31日までを予定している。
小田川は、地域住民の愛着が強く、歴史的にも文化的にも人との結びつきが強い河川で、河川内、河川周辺には豊富な自然が残っており、多様な生態系と優れた景観を構成している。県では、1987〜96年にモデル事業として地域の自然や文化などに配慮した河川改修事業を実施した。しかし、土砂の堆積、葦の繁茂、河畔林の成長、周辺地域の人口減少や高齢化、河川の近自然工法の発展など、小田川を取り巻く状況が大きく変わってきており、住民の河川に対する意識も変化しているという。
検討会は、住民や学識経験者など約20人で構成する。対象区域は、上流側の龍宮転倒堰付近(内子町平岡)から下流側の山王橋(内子町大久喜)までの約2・1`。検討会では@河床掘削工事の施工方法(工事に伴う周辺環境への負荷低減、効果的な土砂堆積低減対策、工事に伴い発生する葦の有効活用)、A多自然型川づくりの事業評価(事業の検証・評価、事業の修正点・改善点、他の個所への展開の可能性)、Bミニ小田川の今後のあり方(施設の改善点、維持管理手法、利用拡大策)の3テーマについて検討する。
また、住民のニーズ把握や合意形成を図るため、地域住民が参加したワークショップも開催する方針。ワークショップの参加者は、県が公募により募集する住民約30人と行政関係者約10人になる見込み。